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2章 日光市における観光情報収集・提供の現状分析

 

1. POPAIネットワークの概要

 

(1)組織

POPAIネットワークは日光市に在住する観光産業に携わるお土産、飲食等の商店や旅館業、観光業に携わる人達が「日光の観光産業への危機感を共通認識として」任意で集まったボランティア団体であり、メンバーは約30名で構成されている。また、メンバーの中に日光観光協会の職員がおり、POPAIネットワークと日光観光協会のコーディネート役を果たしている。

POPAIとは「Point of Purchase Advertising Inc.」の略である。

 

(2)基本的な活動

POPAIネットワークの基本的な活動は、日光市内の観光拠点で毎日2回、(午前9時及び午後1時)気象情報や日光市内の主要道路区間(湯元〜菖蒲が浜中禅寺湖畔〜いろは坂、霧降ノ滝〜霧降高原)の渋滞情報、華厳の滝の流水量、中禅寺湖の水位、奥日光の5拠点及び門前、霧降、小来川の5拠点の自然情報、花の開花、紅葉、スキー・スケート場、行・祭事、イベント、今日の話題等、日々刻々と変化する情報を収集し、日光観光協会に報告している。

 

(3)情報の収集と提供

収集する情報として気象情報が中心となった理由は、日光独特の気象条件にある。日光は日光市街から奥日光まで観光エリアが細長く距離があり、かつ標高差があり、それぞれの観光拠点における気象条件は極端に異なる。特に奥日光は山岳性の気象条件であり、日光市街が雨でも奥日光は快晴という場合も少なくなく、気象情報の正確な提供は観光客、観光業への重要な要素となっている。

情報の収集は毎日午前(9時)と午後(1時)の2回、日光観光協会から各情報収集拠点に電話で問い合わせすることにより必要な情報を収集している。収集した情報は日光観光協会において取りまとめ、所定の様式に編集し、日光市のファックス情報システムに提供するとともに、全国30箇所の情報利用者にファックスで同報配信している。全国30箇所の情報利用者については、基本的に配信先において提供情報の二次的利用(配信先を拠点として配信先の利用者に情報提供される)が期待される機関を選定している。

 

(4)情報の蓄積と再利用

日光観光協会にて取りまとめられた情報は、ファックス配信時の様式で紙の形態でファイリングされており、随時ワープロでデジタル化されている。また、デジタル化された情報については、1年分を手作業でまとめ、報告書として発行している。

 

 

 

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