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SARと受動型マイクロ波データとの結合

受動型マイクロ波データの航海への使用は、主として粗い解像度のため、限界がある。SARと受動型マイクロ波データを結合して、定期的に使用することは可能である。一つの結合使用例として、大きなスケールの海氷の境界(氷縁と氷密接度)のマッピングには受動型マイクロ波放射計を用い、詳細な氷の状態のマッピングにSARを加えることが考えられる。

 

SARの周波数と偏波の選択

SARは主にCバンドであり、水平または鉛直に偏波された放射を測定する。現在のRADARSAT/SARは水平に偏波されたCバンドシステムである。SARで用いられる周波数と偏波は、検出しようとする氷の様相と種類により変わる。

ENVISAT/ASARはある限られたモードで、同時に両偏波を用いることができるように設計されており、これにより異なる種類の氷を分類するのに大きな利点をもつことが期待される。

 

レーザー及びレーダー高度計

レーザーおよびレーダー高度計は、地球の形状を計るのに使用されている。それゆえに、これらは氷の表面の粗度を測定するために用いることができる。高度計データは、氷縁や氷に囲まれた小さな開放水面、及びうねりの侵入を検出するために最も有効であると考えられる。

 

超高解像度の光学画像

空間分解能が2〜20mの大変高い解像度の光学画像は、雲が覆うことや長期間の冬季の暗闇によって使用が制限されるが、理想的な天候状態では、興味ある海域の特別な情報を与えることができるため、それらは海氷観測に使用されるだろう。

 

中程度の解像度の光学及びマイクロ波データ

中程度の解像度の光学データは有効な情報を与えることができるが、バルチック海と北極海では、長い暗闇としばしば雲が覆うため制限される。能動型マイクロ波センサーは天候に左右されない機能を持つので、ますます使われる傾向にある。

雪氷の検出と監視に有効なオペレーショナルな衛星の将来の予定を表5.7に示す。

 

 

 

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