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氷情報が簡単にアクセスできよるようになれば、事故のリスク及び人命や設備の損失を減ずることができる。特に、石油や鉱物資源の分野で好景気が実現されるならば、正確で時宜に合った氷情報は、石油プラットフォームやタンカーに伴う安全な操業に欠くことのできないものになる。当座はグリーンランドで業務を実施する民間会社の市場は無い。しかし、もし石油探査と鉱物会社が増加するならばこれは変るだろう。

主なコストの利得に関する質問は、RADARSATのような衛星データは、航空機による監視に取って代われるかどうかである。現在、夏季のRADARSATデータは信頼できないという証拠がある。そのため、この期間に限って飛行機観測が必要とされるだろう。航空機偵察の年間の経費1.7MECUは、公表価格でSARデータを購入する余裕をみておくため、減ぜられることはない。

より多くのそして特別にあつらえた氷サービスを必要とする沖合い活動もまた成長している。グリーンランド海における船舶の数は少ないが、氷海上の長距離の航海に伴う高いリスクおよび時間の損失がある。

地質探査においては、操業可能性のある海域を選択するため、正確な氷情報と最新の情報がアクセスできることが大変重要である。特に、DMIのアイスサービスによるグリーンランド北東沿岸沖の氷分布図は、彼らに十分使用されてきている。この情報なしでは、これらの海域での効果的な操業は不可能なものになるであろう。それ故に、正確な氷情報は有効な経費削減になる。保険会社は海氷によるトラブルなしに船舶と積み荷が目的地へ到着できることを請け合うために、DMIの氷サービスと連絡を取っている。

DMIの氷サービスにとって、経済的な要件は、第一に航空機レーダーか衛星から得られる氷情報の収集と、エンドユーザーへ付加価値情報を送るための通信に関係する。それゆえに、可能な限り低い価格と合理的な再分配の取り決めを確実にするために、衛星データプロバイダと交渉して適切な合意が得られなければならないことを強調することが重要である。

 

5.5.3 北方海域航路

 

氷情報のユーザー

北方海域航路(Northern Sea Route;NSR)は氷に覆われた海域の中で最も長い航路である(図5.8)。この航路はロシア国の輸送システムにとって、生命を維持するための重要なものである。そこには、内部の水域やロシアの北部沿岸に隣接する経済地域、およびロシア領の北極域の島や群島が位置する。

 

 

 

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