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技術上の要求

Farewell岬は、西海岸の主要な都市に向かう全ての船がこの海域を通過する必要があるので大変重要な海域である。この岬を通過する時、ユーザーは氷分布図が必要になる。氷分布図は特に、氷縁の位置のタイムリーな情報を含んでいなければならない。例えば、6〜8時間以内の情報でなければいけない。船舶は氷の周りを航行するだけなので、しばしば氷縁の情報だけで十分である。この要求を満たすために、毎週3〜5枚のFarewell岬の氷図が一年中発行されなければならない。

海氷監視センターは少なくとも週3〜5回は氷の状態をモニターすべきである。しかし実際は、氷の解析者が状況を正確に解釈するためには、氷の発達や動きの推移を知る必要があるので、これより高い頻度が必要である。この情報は特にRAL貨物船で必要とされており、また、漁船や観光船もこの情報を定期的に用いている。

夏季の間は、船舶がグリーンランドの東海岸の港へ向かうために、氷の種類と密接度についての情報が必要になる。短い時間枠の限られた数のポートコールではあるが、この海域の氷監視は船舶の航海計画に統合されなければならない。この海域において船舶は、氷図情報とヘリコプター偵察を結び付けて用いる。そのため、氷図は航海の手段として、またヘリコプター偵察を計画するための戦術手段として、可能な限りタイムリーなものでなければならない。Farewell岬海域と比較すると、氷情報はより拡張されたものでなければならない。というのは、船舶は氷海を通過するので、リード(切れ目)についての詳細な情報が重要になるからである。その情報は船舶が氷縁の中を航行する間、定期的に最新のものに更新されるべきである。

北西沿岸への寄港は氷が無い期間に限られる。それ故に、ここでは海氷が終結する期間を認定することが重要である。

 

グリーンランド海域を氷情報なしで航海することは、より多くの航海時間を必要とし、船舶は数日間または数週間氷の中に捕まることになる。これは船舶に損傷を与え、最悪の場合は沈没させる。RALは氷の状態の情報を得ずに航行する場合は、24時間ほど航行時間が伸びるかもしれないことを示している。これは近似的に15,000ECUに等しい。さらにこの場合、軽い損傷を修理する時間が増すことにより、この数字が増えることが予期される。氷情報の欠落による旅客船の取り消しにより、さらに費用が増えるであろう。というのは、旅客は他に代わるべき輸送手段、例えば飛行機を選ぶからである。さらに、沿岸の氷情報が無いと、旅客船は数日から数週間の期間氷に閉じ込められ、大きな財務上の損失と潜在的な損害を受けることが簡単に推察される。

沖合い操業、例えば、地質の計測は特別に装備された観測船により実施される。それらは氷縁近くまたはその中で仕事をする。地質の探査中は、操作の可能な海域を選択するために、現在の正確な氷情報を呼び出すことが大変重要である。正確な氷情報はそれ故に、有効なコスト削減につながる。

 

 

 

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