1.2 研究開発の概要
本研究の全体の概要を図1.1に示す。この研究は平成9、10年度の2ヶ年計画で実施するものであり、最終年度の平成10年は次の事項について研究開発を進める。
1. 文献調査及び現状調査
衛星による海氷のモートセンシング技術に関する文献と海氷予測モデルに関する文献を調査する。衛星による海氷監視の現状と課題を調査し、将来の衛星システムの検討を行う。
2. 資料の収集
衛星データ(ひまわり、NOAA、SSM/I、RADARSAT、SPOT2、JER1等)及び海氷観測データ等を収集する。
3. 衛星データによる海氷観測手法の調査開発
衛星搭載のマイクロ波放射計により得られたデータからオホーツク海における海氷分布状況を推定するアルゴリズムを調べる。すなわち、DMSP(Defense Meteorological Satellite Program)衛星に搭載されたSSM/I(Special Sensor Microwave Imager)センサーによるマイクロ波から海氷密接度分布を推定する手法を開発する。
4. 色々な衛星から得られる海氷画像の比較解析
1998年2月8日のオホーツク海の海氷事例について、ひまわり、NOAA、RADARSAT、SPOT2、JERS1等の衛星画像を比較解析し、これらの衛星による海氷監視の有効性を調べる。
5. 海氷数値シミュレーションモデルの検討
オホーツク海を対象とした海氷の数値予測モデルを作成し、事例計算を行ってモデルの特性を明らかにする。これらの海氷予測モデルを用いたオペレーショナルな予測情報提供のための検討を行う。