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表5 35-40°N、65-70°Wにおける年平均補正値

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布製バケツモデルでは補正値の月変化傾向は類似しているが、夏季において本報告の値が0.2℃程度小さい値を示しており、その結果、年平均値が0.1℃程度小さく評価されている。また、木製バケツモデルでは、年平均値において0.2℃程度高い値となるモデルがある。これらの原因については、バケツの熱容量の評価の微妙な違いに問題が残されていると考えられる。例えば、本報告ではW2,W4モデルとW1,W3モデルではバケツの厚さが異なるが、バケツの高さを同じ条件として計算を行った。その結果、特にW1,W3のバケツの熱容量をC.K.Follandら(1995)に比較して過小評価している可能性がある。これらの条件を更に検討すれば彼らの値に近い値となるのではないかと考えられる。

図2に12月における布製モデルの系統誤差の全球分布を示す。上図がC.K.Follandら(1995)の結果であり、下図が本報告の結果である。補正値の大きい海域は暖流が存在する海域であるアジア東岸および北米東岸であり、南半球の補正値は小さい。この傾向は一致している。しかし、赤道付近海域についてみると、彼らの値が本報告に比較して0.2℃程高い結果となっている。これについては上にも述べたようにバケツの熱容量の評価の微妙な差が影響していると考えられる。

このようにC.K.Follandら(1995)と本報告には結果にわずかな違いは認められるものの、本報告では概して彼らのモデルを忠実に再現しているものと考えられる。

 

 

 

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