交通結接点の改善
交通結節点での改善では、建物と軌道等の一体構造化があります。北九州モノレールが小倉駅まで延伸されまして、その中の建物の中に一体的に入っています。こういった種類のことは、立体道路制度を初め、新しい仕組みの中で軌道系のものも入れるという形になったということです。交通センターはアメリカ等でたくさん建設されていますが、タイムドトランスファー、空港で言いますと、ハブ・アンド・スポークというような言い方なんですが、やはりバス関係ではそういうものが出てきているということでございます。
ネットワーク面では、公共交通システムの階層的な体系化ということで、道路体系と同じように、高速の都市間のものと、広域のものと、それから都市内のもの、さらにフィーダーの公共交通が一体的になるような、そんな仕組みがいろいろなところで出てきております。いずれにしましても、1つはマルチモーダルシステムで、マイカーとの連携というのが公共交通としても、新しく考えなければいけないことだと思います。
新たな準公共交通システムの動き
以上のほかに、ちょっと新たな準公共交通システムということで、私、特にきょう注目してみましたのは、今までの公共交通とは違うようなものができ始めてきていることです。要するに境界がはっきりしない。在来の公共交通と、マイカーと一緒になったようなものとか、いろいろな種類のものが見られます。
これは、地球環境保全のためには、エンジンの改良や、代替燃料や電気の使用などの自動車側の技術革新では限界があり、交通をはじめ、生活全体を環境との共生という視点から見直して都市づくりを進めようとする試みの延長線にある動きです。
こうした工夫は、大きく2つに分けることができます。
まず、公共交通機関や企業が、EV(注4)など、マイカーに代るハイテクの車両などを貸し出す方法で、近未来交通システムとして、海外、日本ともにいろいろな実験をはじめつつあります。
この方式は都心まではパーク・アンド・ライドとして、公共交通と組み合わせて、都心の中は、一般車は規制されていて、低公害車だけ運行を認めるというような措置が出来れば、1つ非常に大きな役割を持つことになるのではないかと思います。また、類似の方式として注目すべきなのは、自転車なんですけれども、シティバイクということで、専用のレンタル自転車なんですが、それをハイテクで管理しようというような仕組みも、ヨーロッパの、特に北欧の都市で今始まっております。こんなのも、要するにシステムの管理、運用という面で、非常におもしろい共用システムが出始めてきているということです。
カーシェアリング
それからもう1つ注目すべき動きとして、新たなコンセプトでカーシェアリングと呼ばれる、車の共同使用を紹介したいと思います。これは極めてローテクの話ですが、在来の車を共有して皆さんがうまく使えないかということなんです。いわゆる草の根型の相乗りから発展したもの、隣近所であるとか、大学の学生さんたちがやっていたものですが、最近非常におもしろい変化が起こってきました。