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今後の取組み

次に、今どんなことをやっているんだという話にうつりますと、当然今一番問題になっております、2001年に向けての廃家電リサイクル法の問題でございます。この輸送のために、どのような輸送容器をつくったらいいのかとかなど、今関係するメーカーさん、通運事業さんと、輸送容器の勉強と、輸送システムの検討というものに入ってございます。

それから今各地で、このリサイクルの問題で、エコタウンとかエコパークとかいろいろな話が出てまいります。そこまでの輸送に対してのいろいろな計画がございまして、当社としてはいろいろな面で参画させていただいて、うまくいくよう検討しております。

当社はコンテナ取扱駅は約150ほどありますが、実際に産業廃棄物の取り扱い許可をも受けている駅というのは、約60ぐらいしかございません。その60でも、品目を限定されていまして、全品目取り扱える駅は20くらいしかございません。産業廃棄物を輸送するにはコストの問題が出てまいりますので、鉄道ネット網を構成しようということで、産業廃棄物の取り扱い許可を、各自治体のほうにお願いしているという実態でございます。ここら辺の許可が完全に取れれば、一番近い駅まで持ってきていただければ、全国ネット網により、どこでも鉄道で輸送できる仕組みが完成いたしますのでネットワークの整備を早急に取り組んでいます。

当社はこういう問題に対しまして、去年の7月以降取り組んできております。関係する方々のご協力を得ながら、今後とも動脈物流と静脈物流とを一体化しました循環型物流に対して取り組んでいきたいと思います。以上でございます。

 

先進的な取組事例発表『新しい公共交通システムの動向』

 

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東京大学大学院工学系研究科教授

太田勝敏

 

東京大学工学部土木工学科卒業後、同大学工学系大学院修士課程終了、ハーバード大学大学院にて都市地域計画を専攻、同大学院博士号取得。東京大学助教授、教授歴任後、現在に至る。研究分野としては、都市交通計画、交通需要予測、交通施設計画、都市計画・政策など、交通・都市部門で幅広く活躍している。主な著書に「交通システム計画」「交通計画集成1・4・12」「新しい交通まちづくりの思想-コミュニティからのアプローチ」などがある。

 

地球環境問題をはじめ、市民の環境意識が高まる中で、車に過度に依存した現代社会のあり方を反省して、個人のモビリティを尊重しながらも、自動車、特にマイカーへの依存性を減らそうという新たな取り組みが各地で試みられています。こうした取り組みの中で今日お話しするのは、旅客の場合、乗用車、マイカーに対して一番大きな代替交通手段は、公共輸送としてのバスとか、地下鉄とか、そういうものでございますが、そういった分野で新しい魅力あるサービス、あるいは環境により優しいシステムがどうつくられているかということ。また、新たな準公共交通システムの興味ある動向などについて、簡単に紹介したいと思います。

 

 

 

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