それから、当社の信頼性ということが1つございまして、後でお話ししますけれども、阪神大震災がございました。そのとき家屋が倒壊しましたけれども、倒壊した木くずの輸送というものを、首都圏の川崎とか埼玉地区のほうで処分ができるということで、その輸送もやらせていただいたということがあります。そのようなことで当社としましても、安全性、信頼性は、1つ大きく言えることだと考えます。
それから2点目の立地条件といいますのも、当社の貨物駅は、大体各都道府県の主要都市の近くにございます。ですから従来の動脈物流も、その点を有効に生かした形での輸送となっておりますが、廃棄物の輸送も同じように、中心地から発生されるものは、都市に近い当社の駅をうまく利用できれば、輸送そのものも直接的となりうまくできると考えてございます。
あともう1つは、貨物駅から、未用利地を生みだし、そこに廃棄物のストックとか多少の物流加工するような中間設備をつくれば、廃棄物そのものはさらに直線的な輸送となり、コスト低減というのにも大きく寄与できるんじゃないかという見方をしてございます。
3番目の、効率的環境に優しい輸送といいますのは、当社の鉄道輸送は輸送効率という点でほかの輸送機関に比べて、環境の負荷が少なく今後鉄道輸送が、見直されていくということもあるんじゃないかということで、我々の役割といいますのはこの3点を前面に出して、静脈物流に参加すべく、現在取り組んでいるという中身でございます。
廃棄物輸送の事例
実際に今まで行なった事例的なものを、簡単に述べてみます。
1] 阪神大震災後の木屑輸送
まず、阪神大震災時における木くずの輸送です。倒壊した家屋の取り崩しのときに発生した木くずを、7年の10月から、8年の12月まで川崎市、横浜市、埼玉県まで輸送し、約4万トン弱のものを輸送しました。
2] 生活廃棄物輸送
川崎市の生活廃棄物輸送は、トラックで輸送したのでは、かなり騒音公害、CO2問題等が出てくるので、北部の2つの老朽化した設備を、海辺に新しくつくる処理場で処理するということで、北部から海辺、いわゆる南北の輸送を現在させてもらっています。これは平成7年の10月から始まり、これは現在粗大ごみとか、一般ごみとか、焼却灰等を運んでいますが、これに新しく瓶、そして缶というふうな輸送も今後追加して行います。南北に短い距離ではございますけれども、環境に優しい輸送ということで、行なっています。
3] 廃蛍光灯・廃乾電池の輸送
廃蛍光灯、廃乾電池の輸送は、水銀が含まれているということで、非常にその処理が問題になっております。今北海道に、1カ所無鉛化処理ができる施設がございますので、全国各地の自治体から、廃乾電池、廃蛍光灯というものを、当社の12フィートコンテナで運んでおります。
4] シュレッダー・ダスト輸送
これは年間約120万トンくらいシュレッダーダストは排出されており、この処分は、管理型処分場で最終処分しなさいというふうに、規制が強化されてございます。発生地は、首都圏が非に多うございまして、処理場までの輸送が比較的長距離になるということで又、トラック輸送の場合は片道輸送になるということの問題もございまして、鉄道のコンテナ(コンテナ列車)によって、首都圏から北陸方面の輸送を行わせていただいているという中身でございます。