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それでは去年当社が、この廃棄物いわゆる静脈物流に取り組むに当たりまして、どういう点を勘案しながら行ってきたかということを、お話させていただきたいと思います。まず、廃棄物を取り巻く現状でございます。これはご案内のように、一般廃棄物と産業廃棄物というものがありまして、年間で約4億5,000万トンと言われてございます。一廃のようについては5,000万トン排出されています。その内訳は産廃については4億トンという、莫大な量でございます。その廃棄物を取り巻く問題点を次に上げてみます。

廃棄物をとりまく問題点

まず1番目は、CO2の問題でございます。自動車輸送では道路渋滞やCO2、NOX等の環境負荷の増大、都市環境の悪化を引き起こすという点で、非常に問題になっているのではないかというのが1点でございます。それから2点目は、ダイオキシンの問題で、焼却場から排出される灰には、非常に多量のにダイオキシンが含まれており厚生省では、今後排出基準をかなりきつくしていく傾向にあります。それから3番目は最終処分場の不足問題で、これは今埋め立てを行っていますがその場所も限界に来ています。また新しく処分場をつくろうと思っても、地元の住民の反発とかがあって、非常に困難となっており全国各地で不法投棄が、問題になっている点をとらまえましも、今まで域内で処理してきたのが、広域処理のほうへと方向性が出されております。

次に分散型処理から集中型処理というのは、それを象徴してございまして、今までの域内処理から、広域に収集して集中処理をしなさいというようなことになってございます。実際に一般廃棄物の排出量が、50トン未満については補助金も出ないというようなことで、やはり集中した大量の処理になっていくでしょう。その間の広域輸送は当社の輸送機関を利用することが勉強できないかと考えられます。

それから、3番目の処分から再利用ということでございますが、ただ捨てるのではなく再利用するということの関心が、大きくなっている点を考えております。

当社としましても、今言いました廃棄物処理の現状から、行政との今後の方向性を踏まえまして、当社の役割はどこにあるのかなということで挙げてみました。1つは安全性、信頼性という問題と、それから立地の条件、それから効率的環境に優しい輸送と、この3点が当社として、きちっと社会に発言していく言葉じゃないかと思います。

JR貨物の信頼性と機能の活用

例えば安全性、信頼性に関しましては、当社の輸送の場合には、12フィートコンテナで今輸送しています。または私有の20フィートコンテナや、お客様のつくられたコンテナを当社が輸送している事例もございます。当社の場合ですと、排出事業者までコンテナを持っていきまして、そこで様々な形で積み込みその場でコンテナのとびらに封印をし、我々の輸送によって最終処分場まで輸送し、そこで封印を切ってお渡しするというまったく不法投棄の心配もなく、そこは排出される方も安心して使っていただけるんじゃないかというふうな話でございます。

 

 

 

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