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第二部

講演『パリ・ダカールかく戦えり』

 

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篠塚建次郎

 

昭和23年東京都大田区に生まれる。

東海大学2年20歳の時、三菱ファクトリーチームのドライバーとしてデビュー。卒業後、三菱自動車に入社、以来国内200回、海外100回のラリーに出場。昭和60年アジア太平洋ラリー選手権シリーズ初代王者を皮切りに、パリ・ダカールラリーでの総合2位をはじめ、オーストラリアン・サファリー優勝。日本人として初めて世界ラリー選手権アイボリーコーストで連覇、サファリラリー2位等大活躍。平成9年ダカールラリーに日本人として初の総合優勝を飾り、10年は2位という輝かしい日本の第一人者ラリードライバーである。

 

モータースポーツは、幾つかのカテゴリーがありますが、サーキットレースとラリーの2つに大きく分けられます。サーキットレースというのは、日本で言えば鈴鹿とか、富士スピードウエーとかいう決まったサーキットを走って、だれが一番先にゴールするかスピードを競うわけです。その代表的なものがフォーミュラーワン、F1と言われているものです。約2時間走って、順位を決めるんですが、年間16回か17回、シリーズで戦います。世界中を転戦して、そのシリーズのポイントでシリーズチャンピオンを決めるというものです。これは陸上競技でいうと短距離競争にあたると思います。

それに対してル・マン24時間は、フランスで行われるレースなんですけれども、24時間走って、だれが一番先にゴールするかというレースで、これはマラソンに相当するものじゃないかと思います。

ラリーにもやはり、短距離と長距離があります。短距離はWRC。これはワールドチャンピオンシップといいまして、3日間ぐらい走るんですが、1つひとつの競争する区間が、5キロから30キロほどの競争区間が1日に10カ所から15カ所競争設定してあり、そのトータルのタイムで順位をつけるという競技なんです。全部で走る距離は1,500キロ前後になります。それに対して私のやってますパリ・ダカールというのは、2週間から20日間ほどかけて大体1万キロ前後走ります。ですからマラソンに相当するものだというふうに思っています。

パリ・ダカの名称の由来

このパリ・ダカールラリーを、私は1986年から、もう13回走りました。14回目のダカールラリーは1月1日に今度はスペインのグラナダというところをスタートして、セネガルの首都のダカールにゴールする約9,000キロのラリーです。このラリーは、パリ・ダカ、パリ・ダカというふうに言われているんですが、スタートの場所、ゴールの場所がいつも同じではありません。もともとはパリをスタートして、ダカールにゴールするので、パリ・ダカと言われていたんですが、来年はグラナダをスタートしてダカールですから、グラナダ・ダカールというのが正しいラリーの名称なんです。

 

 

 

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