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次に、車両自体の工夫と指導ですけれども、エンジン回転警報装置器というものを車に取りつけまして、エンジンの回転数を2,000回転以上に上げますと、警告ブザーが鳴り、それと同時にもカウントして記録させるような仕組みになっております。これを1日の業務が終わると取り外して、整備長に提出し、カウントがあまり多いものは、そこで指導を受けるというように、その場その場で教育をし、排気ガスを大いに抑制するような教育をやっております。

走行環境の改善

次に、走行環境の改善ですが、バス事業者の最大の課題は、何といっても定時制の確保にありますで、この問題は、全社を挙げて積極的に取り組んでおります。その中でバス専用レーン、あるいは優先レーンを関係官庁のご指導で実施させていただいておりますけれども、それはまた一面では、自家用車にそのしわ寄せが行き、迷惑をかけている部分もございます。ですからその面で、積極的にポスター、チラシを作成して、社会的便益を与える公共交通であるバスヘの理解度の高揚に努めております。

それからもう一面では、80人のお客様がいるとすると、バス1台で80人を運ぶことができます。この時の道路占有は、11メートルとなります。これに対してラッシュ時間帯の乗用車は1人乗車がほとんどで、80人を輸送するためには80台が必要であり、この場合の道路の占有は520メートルに及びます。そこで「みんなで考えましょう、交通渋滞、環境汚染」等のPRを、年2回実地しております。

環境定期券とスヌーピーバス

次に、環境定期券とスヌーピーバスの運行について報告いたします。当社は、平成9年9月20日、これはバスの日なんです。この日から、業界に先駆けて、環境定期券を導入いたしましたもこの環境定期を保持している人は、土曜日、日曜日、祝日、お盆休み、年末年始の期間中、定期券の区間以外の路線に乗ったときには、本人はもちろん同伴家族が1乗車大人100円、子供50円で利用できる定期券です。この定期券導入の目的は、大気汚染が社会問題化する中で、バスの利用者に対し、経済的優遇処置を付与することにより、自家用車からバスヘとお客様を誘導し、地球環境の保護に寄与しようとするものであります。

スヌーピーバス導入の経緯についてですが、環境問題は、長期的視野に立った改善策が必要であり、特に21世紀を担う子供たちに対する啓蒙が重要であると考えました。そのためには、子供たちにも親しまれ、話題性の高いキャラクターを採用し、これを視覚で訴えることが、より効果的ではないかと考えたところであります。このようなことから、環境定期導入に際し、環境保護メッセンジャーとして、アメリカでも広く使われているスヌーピーを採用することにいたしました。そしてスヌーピーバス40台を導入するとともに、スヌーピーバスカードを10万枚、スヌーピーバスポスター8,000枚等を作成し、環境改善を訴え、意識の高揚に努めております。スヌーピーバスというのは、座席のシートカバーにスヌーピーを1つひとつデザインしてあり、車内の掲示には、一切広告物はしないで、スヌーピーの掲示をやりまして、そのほかにはそれぞれの自治体で環境に関して、ピーアールしたい事柄を掲示しています。例えば平塚市、あるいは茅ヶ崎市、などの自治体がご利用したいということであれば、これを利用していただくというような、バスでございます。

 

 

 

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