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体面指導

4つ目の取り組み、日々の体面指導は、ドライバーの意欲の維持、向上に特に大きな効果を上げます。その日の天候、作業量、運行経路などから、当日特に重点的に取り組むエコドライブが、運行管理者とドライバーの間で確認されます。また車両1台1日の燃料削減目標1,490ccを軽油に似せた色水を入れたペットボトルで示し、エコドライブの効果を目に見える形にしました。一番大切なのは、毎日繰り返す一言のアドバイス、これが体面指導なのです。

出発前にドライバー全員が環境目標を唱和します。1日の運転が終わると、各車両に取りつけてある運行管理システムの端末機から、運転チェックリストがデータアウトされます。ドライバーはこのデータを見て、AからDまでの4段階で自己評価を行ない、自分のエコドライブの客観的な評価を確認します。運転チェックリストのデータ内容は、1日のアイドリング合計時間、急発進、急加速回数などが含まれています。このチェックリストに基づき、毎日、その場で個別指導を行います。

効果の算出

5つ目の取り組み、効果の算出です。月ごとの対象車両35台の燃費削減量と、燃費向上率を算出します。ごらんの表は、その一部を拡大したものですが、例えば22号車は前年に比べ、1使用燃費を22.3リッター削減し、燃費も53%向上させたことになりす。

結果の評価

6つ目の取り組みは評価です。1カ月の燃費削減量、運転チェックリストデータなどを総合的に評価して、月間MVEを選出します。MVEとは、モースト・バリアブル・エコドライバーの略で、翌月の初めに、月間MVEの栄冠に輝いた者は、全員の前で表彰されます。自分の努力の効果がきちんと示され、そして効果を上げれば必ず評価される。これは人の意欲と自主性を高めるための基本ではないでしょうか。また月ごとに、目標達成状況報告書が経営層に提出されます。報告書には、歴代MVEの顔写真が載っており、受賞者には大変名誉なことです。

その他の取組み

7つ目のその他の取り組みは、運転方法以外のエコドライブの取り組みです。「燃料効率向上のための整備点検の強化、」「荷重削減のためのタイヤチェーンの冬期以外の不積載、」「降車時のエンジン停止のためのチェーンキーの全員着用」などの個別の努力のほか、低公害車の導入も積極的に推進しています。(2000年度末までに全社で1,200台導入予定。)

以上7つの取り組みで、ドライバー1人ひとりがすばらしエコドライバーに成長し、日々エコドライブに取り組んでおります。

おわりに

最後に、当社の環境保全に関する啓蒙活動について紹介いたします。4万4,000人を超える社員の家庭に配付する『日通だより』に、エコドライブを初め、さまざまな環境保全の記事を掲載し、日本通運全社員家族ぐるみで環境保全意識の向上を図っています。

 

 

 

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