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もう1つは体験型民族村を作ること。ホームスティとミックスしたものでも良い。民族村に住民が住み、そこにホームスティしても良い。

あとはイベントの開発だ。これは6番目にあたる。韓国で最近人気を呼んだ観光イベントに松茸祭りがある。私のいる大学から20分いった所にある人口2万9000人ぐらいの小さい郡で松茸祭りをやった。2泊3日という短い期間だったが、日本から1500名の観光客が来た。この時期、日本では松茸が高いからみな喜んでいた。松茸1つでも大きなイベントができる。イベントには1000以上の素材があると思うから、それを研究して祭りを起こす。これも観光客を長期滞在させることが可能な方法だと思う。

それから4番目の問題は、キムさんが言ったモノレールや市内ツアーバス等もアイディアだと思うが、私は温泉を巡るシャトルバスにしたらどうかと思う。時間を決めて30分間隔で運行する。そうすれば観光客はいつでも各地の温泉を巡れる。これは簡単だと思う。

5番目の問題は、ヘルスケアツーリズムとつながるだろう。ホテルにはフィットネスセンター、エステクラブが設備されている所もある。フィットネスというと、肉体的な方向に向かうと思うが、ウェルネスといえば肉体も精神も合わせて、健康予防も含んだ言葉だと思う。それとヘルスケアツーリズムの先端に立っているのが温泉だ。もう一つが自然。都市のエステサロンにはoxygenルームと呼ばれるケアをしてくれる所がある。oxygenとは酸素だ。韓国なら韓国の国立公園、ソラクサンの酸素を使っている。つまり新鮮な酸素を売るのだ。以前は水を売るということは、韓国や日本では考えられなかった。ヨーロッパでは売っていたかもしれないが。今は地下水を売っている。これから20世紀に向かって都市環境が悪化すれば、酸素を売るという発想も生まれると思う。ということはウェルネスとは、今から研究すべき言葉だと思う。

6番目は、持続可能な開発、観光イベントの開発だと思う。温泉は使ったらなくなる資源だ。別府は温泉が豊富だが、私は無駄に温泉を使っているのではないかと思う。いつかはわからないが、全部なくなってしまうだろう。だから無駄に使わず、保護しなければならない。

初めに話した風土の産業化は、新バイオティックマーケットとつながる。バイオティックは一緒に進んでいける共存共栄のマーケティングという意味で、、自然と人間の調和、伝統の文化の調和、産業(経済)と文化の調和、観光客と住民の調和、官と民の調和などだ。風土の産業化はこのように進めていくべきだと思う。

21世紀に世界に対して役割を持つような別府になるために、皆さんが動いていると思うと未来は明るいと思う。

 

司会

たいへん含蓄に富んだお話だった。これ1つで論文が出来るような内容だ。一応、これから質疑応答の時間にしたいと思う。

 

内田(別府プロジェクトチーム)

我々はほとんど努力せず、このような温泉地を形成できたといっても過言ではないと思うし、このような情報化の中で、皆さんの指向、レジャーが多岐に渡り、だんだん別府も寂しくなってきたということでこの会を開催されたことと思う。我々にいま必要なのは、なぜ別府がこうなったのかという現状分析をまずやることだ。

 

 

 

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