別府には立派な温泉がありすぎて、みな同じようなスペースで温泉を紹介していて、パンフレットに変化がない。この温泉が一番!と表現したくても、他の温泉からの反発もあるだろうし、行政的な問題もあるだろう。貴重なものが記載されていたとしても、パンフレットの中に小さくしか記載されていなかったら、大したものではないと思うのが人間だ。
また、砂湯はその効果をもっと強調して表現した方がいい。肩凝りなどに非常によく効くから。
司会
それではハム先生お願いします。
Suk-Jong HAHM氏(韓国)
この6つの課題の1つ1つは難しい。これは専門家にまかせて、もっと深く研究すれば良いと思う。私はこの6つの質問を見て、3つの課題を思いついた。1つは、風土の産業化。もう1つは持続可能な開発。最後は別府市の世界都市化。6つの質問からこの3つの課題が引き出されてくると思う。この6つの質問に関して深くは話せないが、アイディアがある。
1番の問題は、習慣、生活文化、郷土料理、音楽、踊りなど色々な文化資源をどうすればいいのかという問題だ。別府市ではハードな面より、ハードとは建物や遺跡を発見して、それを再現するということだが、それよりソフト面でアプローチしなければならないと思う。例えば音楽、踊り、郷土料理の開発。これには研究会を開いて、町の人達が参加して学習すれば、短い時間に何かしらの結果がでると思う。キムさんも言っていたが、伝統的な町並みをリバイバルすることだ。それができたら文化の面で魅力ある別府、統一された別府になると思う。別府の生活や温泉を集めた民族村をどこかに建設して、直接体験できる体験施設もつくる。その民族村にはエンターティメントも経験出来るようにすれば、ここに1泊はできる。これは4番の問題ともつながりがある。文化の利用、オリジナル文化を活用することができると思う。
2番の問題は、市の政策の問題ではないかと思う。高齢化社会と温泉と医療問題である。民間でやっていく部分もあるが、最初は市が政策として打ち出してやる問題だと思う。市長選とか市議会議員選挙の時に必ずでる問題だと思う。観光事業でお金をたくさん儲ければ、医療問題にたくさんお金を出すことができる。とすれば、観光事業を活発するしかない。
3番の問題は、私たち観光研究者が関心を持っている問題だ。どうしたら海外から集客して、より長く滞在してくれるか。これは難しい問題だ。
別府に来て、もう1泊するには何が足りないか、何をしたら楽しい1日を過ごせるかと考えると、別府はレジャー活動の多様化したニーズに対応できない要素を持っているという門題につきあたる。つまり観光魅力が単純で、温泉だけ。普通の人は、温泉が好きな人でも1日3回入れば満足して、それ以上は入らない。ということは、温泉1つだけでは、長期滞在させることはできない。レジャー活動の多様化には何をすべきかということだ。現在、レジャー活動は100以上ある。多様化できるシステムを作って欲しい。もう1つは、ナイトライフが充実していない。見たい、したい、飲みたいと思ってもできる場所がない。カラオケ、飲み屋、色々なエンターティメント。それも1つの資源だ。韓国は1970年代、72〜73年ごろから観光が開放され初めて、多くの日本人が来て観光収入が増えた。それで新しい村おこし、セマウル運動が起きた。これも観光収入によってだ。