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Jeong-Song PARK氏(韓国)

外国人の目から別府温泉の文化、湯治客を誘致するための主題など難しいことだらけで、論文を作らなければならない。別府市内のホテルにパンフレットが一杯ある。これらを別府に来る前に知っていたか、皆さんに聞いたらほとんどみな知らなかった。韓国のソウルにJNTOがあるが、例えば済州島などの方でソウルのJNTOに行って資料をもらう方が年間に何名いるのか。ほとんどいないだろう。資料をもらう必要のある方しか行かないから、それが問題だと思う。韓国の韓国観光公社では、福岡にも支店があるし、仙台、小松、札幌にもある。日本のJNTOよりは多く支店があるので、より簡単に資料を求めることができる。このような資料をあまり金をかけずに、韓国の関係マスコミに情報と一緒に送るのはどうだろう。日本で70年代に沖縄で海洋博覧会があった。その当時、韓国ではビザやパスポートの面で海外旅行が非常に難しかった。その頃、私は文化放送局に勤めていたが、100名集めて沖縄に行った。博覧会主催者は博覧会の5年前から博覧会の色々な資料を私の所に送ってきた。そんな海外旅行が難しい条件の中でも沖縄などに行くことが出来た。

私は温泉を体験をしてみたかった。温泉に来たら、できたら沢山の所で入りたいと思い、昨日の夕食のあと杉乃井ホテルの「花の湯」に入り、今日の早朝は川島先生のお宅の温泉に入ってみた。今日の朝食の後は、柴崎温泉に行って川辺の滝湯につかり、次は明礬温泉の薬師寺に行って地上泉ととびの湯の2カ所に入り、帰りはひょうたん温泉の打たせ湯に入ってきた。その後、大文字パロの展望台に行って、それからアジア太平洋国際大学校の建設現場まで行き、感心した。別府はあまりにもいい温泉がありすぎて、シンボルを決めるのが難しい。私は温泉の研究をしてあちこちの温泉に行っているが、バーデンバーデンのコルネリアさんも言ったように、泉質が具体的にわからないのだ。もちろん泉質名は書いてあった。だけど具体的に、どのような成分がどれだけ入っているのか、成分の構成はどうなっているのかが、ほとんどわからない。昨日のテルマスにはあったが、ほとんどがコピーできない。日本全国、北海道から沖縄までコピーできないのだ。日本の法律だと、年1回は検査機関で検査するように義務づけられている。しかし私が見た限りでは、10〜20年前に検査した成分分析表がそのまま貼ってある所がたくさんあった。それではだんだん利口になっていく観光客を誘致するのは難しいと思う。道の名前にしても、キムさんも言っていたが、例えば長崎のオランダ坂みたいに特色ある道の名前したらどうか。温泉と同じ名前で、例えば五右衛門風呂なら五右衛門町にするとか。もちろん韓国人は五右衛門が誰かはわからないが、それを説明するパンフレットを作って、韓国語にして配ればいい。

それから医療保険や健康問題に関して、韓国はまだ遅れている。韓国の温泉法には、保養温泉関係が入っているが、施行令がまだできていないのだ。ということは、韓国にある85カ所の保養温泉地は昔のような湯治客向けの商売では商売にならないということだ。法律を決める前に我々は日本のあちこちの温泉地を調べた。例えば長野の霊泉寺温泉や鹿教湯温泉、秋田の後生掛温泉など。その結果、あまり金を儲けていないことが判明した。今朝も柴崎に行ったのは、柴崎と明礬とひょうたんが、別府では保養温泉地となっているからだ。現代の若者は、札幌のテルメとか金沢のルネス金沢みたいに、広々として水着姿でもいいし、男女ともに話し合いながら入れる。

 

 

 

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