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いろいろな魅力を組み合わせ、新しい別府を売り出すことが重要ではないでしょうか。まちの背後は山に囲まれていますので、幸い必然的に駅周辺がまちの中心地となります。現在、商店街の再生、空店舗対策などを推進しています。

 

甲斐氏(別府プロジェクトチーム)

まちの産業が発展すると住民が少なくなっていく。すると、住民誘致のための催しが増えていき、観光客にとっては自分のまちと同じまちとなってしまう。そこで、観光客の誘致を目指したまちづくりを進めるのか、住民の生活の確保を目標とするのか決めることが重要と思います。また、次の世代がどう別府をつくるのかも重要です。

 

Suk-Jong HAHM氏(韓国)

別府の第1次産業従事者の比率はどうですか。

 

浜田氏(別府プロジェクトチーム)

別府における第1次産業従事者比率は低く、第3次産業従事者比率は高くなっています。しかし、市民税から見ると実際には6割が市外勤務者分となっています。この結果からベッドタウンとしての別府の姿が見えてきます。

 

Suk-Jong HAHM氏(韓国)

農業・水産業に代表される第1次産業は地元に根付いた産業ですが、観光業との繋がりを持たせることができます。産業体験や生産物を観光に結び付けるとか、観光農園の生産物を料理として提供するなどにより、観光業との繋がりをつくりだして、交じり合うことによって、観光業との共存を図ることも可能です。

 

栗田氏(別府プロジェクトチーム)

湯布院では観光業との共存を実践しています。有機農業ということで売り出し、商業化へ結び付けていきました。しかし、別府はまちなので、人々は都市生活を求めています。言いかえれば、別府の存在により現在の湯布院が出来上がったと言えるでしょう。別府については、杉乃井ホテルをさらに大型化し、より多くの観光客を呼び込むというよりは、多様な魅力を売り出していきたいと考えます。

 

Suk-Jong HAHM氏(韓国)

観光業ではスケールメリットはフランチャイズ化によります。適切な規模のものを適切な場所につくることが重要で、lヶ所の大型化は危険です。

 

本村氏(別府プロジェクトチーム)

前回の招請者の1人であるイタリアSABION氏の発言では地方で1つ、一番良いものを、良いホテルを売り出せば良いとありました。この観点から、別府では杉乃井ホテルが売り物と思います。しかし、多様化が必要という意見とは矛盾することとなってしまいます。

 

 

 

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