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多くの国際的なホテルも進出しているし、世界に通じる魅力もある。同時にこの地域に根強い独自のマオリ文化、先住民族の文化がある。ロトルアにおける温泉産業は、次の時代のために着々と進んでいる。それはワールドクラスの最高級のスパ・リゾート設備を整備しているからだ。既存のインフラを駆使して、維持し、天然の自然環境をできるだけ活かそうと考えている。」以上がポール・ロトルア市長からのメッセージだ。次にスライドで説明しよう。

歴史的、文化的つながりから入るが、これは典型的なマオリ族のミーティングハウスだ。マオリコミュニティーの人達は、ここで毎日のように集会を行っている。ロトルアの温泉環境は、このような文化と深いつながりある。少しずつこのつながりが薄くなっている所もあるが、これから先の成長を促すために極めて重要な文化的基盤だ。

ポリネシアでは地熱現象があり、温水は調理や入浴など様々な用途に使われている。

1800年代の中旬から1900年代にかけて、保養や健康、ウェルネスの観点から温泉についてヨーロッパで知られてきて、非常に重要な産業となった。1930年代以降は、療養やウェルネスよりむしろリラクゼーション、あるいは単なる娯楽の意味が強くなってきた。さて特徴を申し上げると、ロトルアにおいては、アメニティ・スパが重要なコンセプトになっている。モーテル、ホテル、リゾート施設にしても、娯楽的な要素が強い。特にヘルスとウェルビーイングが重要ということで、マッサージを提供している。またデスティネーション・スパというのは、ロトルアに来て様々なトリートメントを受け、いろいろな面で療養することができることをいう。

ここにある10のホテルは、スパに特に広範囲な設備を揃えている。モーテルは60あり、ウォーターロッジもある。レクリエーション市場向けに4つのレクリエーショナル・プールとスパ設備がある。1つは国立、1つは民間企業の合わせて2つのヘルスケア施設がある。民間企業の施設はサーマルウォーターを使いヘルスケアサービスを提供している。

330の住民世帯があり、そこでは地熱資源を使い、プールのヒーティングをしている。

温泉産業にいかなる開発を提案したとしても、この地域の政府規制に適していなければならない。依然として、いろいろな国々からビジターが来る観光地として、また居住地としても重要視されている。

環境と地域からの制約がある。これも規制に見合うかどうかで重要な要素になる。地熱エネルギーを使った新しい開発の立地を選択するときは、「資源管理法案」に従わなければならない。地熱エネルギーの保存、文化、科学、治療、植物や風景、鉱物の炭鉱や高熱設備、エネルギー、産業などが資源管理法案の中で管理され、規制されている。地熱エネルギーは、マオリ族にとっての宝とされ、ロトルアにとっては未来の世代を守ってくれる有効な資源だと考えている。地熱エネルギー水は医療の治療だけでなく、調理や入浴にも使われている。非常に神聖な宗教的な側面も維持している。

ここで簡単に、ロトルアを訪問する観光客の統計を発表したい。年間120万人の訪問者のうち、国内からが60%、40%が世界各地からだ。主なマーケットはオーストラリア、米国、日本で、特に日本は重要なマーケットだ。他にもヨーロッパ、北アジア、東南アジア諸国がある。ビジター対象のアンケートによると、ロトルアのスパ設備は今まで経験したスパの中でもトップ5に入るという素晴らしい感想を頂く。地熱資源を活用したアクティビディは、ビジターが体験する他のアクティビディの中でも人気ナンバー1だ。

次に医療やウェルネス、一般的な健康促進に関してだが、ここにクイーン・エリザベス病院という民間の病院がある。

 

 

 

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