これはスチームをあてながらのマッサージ、これは水中でのマッサージ、これはプールだ。
これは最後のスライドだが、楽しいイメージが浮かぶと思う。ぜひ将来に渡って、一緒に成功を納めていきたい。
山村教授(コーディネーター)
アバノは泥を使った療法が世界的に有名だ。別府も明礬、鉄輪の一部で、泥浴を行っているが、もっとアバノなどから学び、応用していけば、たいへん素晴らしい効果が上がると思う。訪問者が年間60万人ということだが、彼らが10泊しているから延べ500万泊にもなる。別府の宿泊客は約400万弱とも言われているが、それを超える。やはり温泉をいかに効率よく、新しい方法で提供していくかということが一番問題なのではないかと思う。
最後にイスラエルのリストマンさんに伺いたい。イスラエルは、西アジアということになるが、温泉を利用される方はヨーロッパの方々が非常に多いということで、「ヨーロッパの温泉文化と地域づくり」の中で話して頂く。
Ram LISTMAN氏(イスラエル)
イスラエルの特徴のある温泉、死海の紹介をする。死海には様々なミネラルあるいは熱鉱泉がある。これは世界各地の温泉と変わらないが、非常に特徴的な環境がいくつかある。
まず死海は海抜マイナス400メートルで、地球上でもっとも低い所だ。地球上のどこを探してもこれより低い所はない。だからとても特殊な環境を作り上げている。
また死海は70キロ×50キロの面積で、中心がたいへん深く、塩分濃度は海水の10〜30倍の30%以上で、これも世界一。これだけ塩分があると完全に浮くことができる。これはウソではなく、ぜひ皆さん実際に来て頂き、いかに簡単に自分の体が浮くのかを体験していただきたい。ただし、泳ごうとすると体がひっくり返ってしまい、泳ぐことができない。お腹を上にして浮いて、大きなウォーターベットにいるようにすれば新聞を読むこともできる。
ミネラル、塩分が多いこと以外では太陽が特徴だ。大気圧が400メートルも縦にあると、太陽の紫外線をカットすることができる。つまり、もっとも世界で安全に日光浴を楽しむことができるのが、この死海のほとりなのだ。もちろん過度の日焼けの心配もない。
さらに400メートル分余計に大気圧があるわけだから、非常に乾燥していてとても暑い。海抜0メートルと比べて、酸素量が約10%増なのだ。
さまざまなミネラルがあるといったが、特出すべきはブロンパリだ。ブロンパリは鎮静効果のある鉱物だから死海に行って空気を吸うだけで鎮静効果がある。つまりリラックスできるのだ。
それから死海の泥も特徴的だ。泥は死海の海底のものなので、何百万年に渡って様々なミネラル、塩分を吸収している。その泥が治療や美容に使われており、日本にも死海の泥を使った美容製品がある。
また周囲の環境は、海抜マイナス400メートルであり、周りが高い山脈に囲まれているが。しかし実際は砂漠なので植生はほとんどない。日本やヨーロッパの方々は緑に慣れているので、死海のような景色は非常に珍しいのではないか。
その上、非常に歴史的な遺跡に近い。例えば2000年以上前の遺跡で、ナサダというへロデ王の王宮の土地が近くにある。