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支援

支援方策の実施

【Push方策】

□マイカー抑止とP&R駐車場の案内のPRの展開:開業1年半前の第1時前売り券発売時(昭和63年1月)から始めた。広報の展開は以下の通りであった。

(1) マイカー発生抑制広報

(2) 公共交通利用促進の広報

(3) パークアンドバスライドの広報

(4) 市民運動「YES'89交通ゆとり運行」の展開…不要不急のマイカー利用抑止

□PR実施に際しての留意点:

1]時期にあった内容

・事前広報…「会場内には駐車場がない」

・直前広報…「会場は駅前。電車、バス、船で」

・会期中広報…P&R駐車場への案内誘導

2]訴求対象、内容にあった広報媒体

・首都圏…テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ポスター、看板

・市、県民…広報紙、県域の新聞、テレビ、バス(前幕)、タクシー、ゴミ収集車

・ドライバー…横断幕、看板、情報板、標識、パンフ、ラジオ

・観客…チラシ、パンフ、電話

□広域交通管制と交通情報の提供:市内中心部へ向かう車に対して、P&R駐車場への効果的な交通誘導、案内をするため、以下のような対策を講じた。

1]案内板、横断幕、立て看板、バターなどを主要道路に設置

2]道路交通情報板によるリアルタイムな情報提供

3]ラジオ、テレビによる交通情報の提供(日本道路情報センター)

4]電話サービス

【Pull方策】

□会場周辺の交通規制対策等:1]会場周辺の道路整備、交通規制、2]警官、ガードマンによる重点路線の違法駐車の早期排除、3]道路工事の抑制、4]交通事故の迅速処理

□会場駐車場からのマイカー排除:会場内にはマイカー駐車場は設置せず、団体バス、業務・身障者用のみとした。

 

効果・影響、問題・課題 等

導入による効果、影響

●横浜博の入場者等の動向:P&Rを利用して来場した人は全来場者の4%であった。また、駐車場の利用は、平均800台/日で利用率は10%と、かなり余裕がある。ただ、日別の利用状況をみると、台数、分担率とも増加傾向で、特に休日は月を追うに従って増えている。特に、GWの5月4日にはP&R駐車場が3ヶ所とも満車となった。

●会場周辺の交通への影響:日祭日に山下公園周辺で午後渋滞することがあったが、平日は渋滞もなく博覧会以前よりも順調に流れている。博覧会交通は当然として、業務用、日常交通の総量が減っていることと、道路工事抑制と駐車違反排除で道路の交通容量が格段に増えたことが寄与していると思われる。

●マイカー来場者のルート:駐車場へのルート選考は高速道路が大半で、一般道路で日常交通とクロスしながらくる観客交通は少ない。

 

参考文献

1)三浦良、横浜博覧会とマイカー対策、道路交通経済、1989.7

 

 

 

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