2] リードタイム面
リードタイムの増加については、特に問題なしとする評価もあるが、おおむね今後の短縮が要望されている。
モーダルシフト推進には、鉄道輸送および海上輸送とも、フィーダー部分の効率化を含めた、輸送時間の短縮が求められるところである。
3] 作業運用面
作業運用面での評価は、作業内容が従来と大きく変わらないケースでは、特に問題ないとのことであった。しかし、鉄道コンテナへの積み込みに従来使用していたパレットが使用できないケースでは、積み込みに時間がかかることがデメリットとされている。
従って、モーダルシフト推進には、パレットやコンテナなど荷役機器等の工夫や開発が求められる。
(4) 継続の意向と総合評価
1] 継続の意向
若干のコストアップになってしまう1事例以外は、継続の意向を示しており、モーダルシフトによって特にコストメリットが明らかになった輸送については、継続的なシフトが期待できる結果といえよう。具体的には、シーズン製品で数量がまとまったり、計画的な納入が可能な貨物について、あるいは、以前、梅雨時の湿気のためにダンボールが傷んだなどの問題があった貨物についても、再度実験的に鉄道を利用したいとの意向がみられた。また、特に企業として「500km以上の距離の輸送は政策的に転換する」という方針を示すなどの積極性もみられる。
2] 総合評価等
輸送コストの削減や、貨物破損の削減といったメリットがある事例については、モーダルシフトへの評価は高い。なお、地球環境対策推進に寄与することへの評価もあるが、まだ、コストダウンに比べて副次的な要素としての評価といえよう。
その他に問題点としては、海上輸送への転換については、悪天候による荷傷み発生についてが心配されている。また、モーダルシフト輸送を継続しない意向の事例では、リードタイム面の問題と費用面でメリットがないこと、私有コンテナに鉄粉などの汚れ等が付着し、商品イメージがダウンする恐れがあるなどの問題を指摘している。従って、輸送品質の維持とコストダウンはモーダルシフトにとって重要な導入条件であるといえよう。