4) シフトの成果・効果
荷主企業は、モーダルシフトの実施によって、まずは、輸送コスト(運賃)の低減を期待している。その他、モーダルシフトを契機にパレット化を図ることにより積み込みや荷捌き等の作業が軽減することへの期待もある。
したがって、今後は、輸送コスト(運賃)の低減を前面にしたPRがさらに必要ではないかと考えられる。
5) 関係先への要望
輸送現場への要望としては、鉄道コンテナについては、コンテナのバリエーション(2トン、3トンといった小型コンテナから10トン以上の大型コンテナ、冷凍・冷蔵コンテナなど)を増やしてほしいとの要望がみられた。
また、多頻度、小口、短納期対策が問題であり、行政からも企業に対する指導を願う意見もあった。
4] その他
1) ISO14000について
すでに取得している荷主企業が4社みられるが、まだ取得していない、あるいは取得する意向のない事業者も多い。今回ヒアリングした限りでは、ISO14000を取得しているところはまだ少ない。
ただし、これを契機にモーダルシフトによるトラック台数およびトリップ数の削減や、パレットを木製からプラスティック製に変更したことを具体的な取組みとしてあげている企業もある。
また、すでに取得している荷主企業では、完成品輸入における港湾利用体制の変更によるトラック輸送削減については、ISO取得に際して具体的目標として取り上げており、1年毎に実施される監査においてはこの点がチェックされるという面からも、モーダルシフトへの取り組みが進められる可能性がある。
2) 地球環境問題への取組み
モーダルシフトを「地球環境問題への取組み」として位置づけているところもみられるが、「輸送コストの削減方策」としての位置づけの方が強い。現時点では、環境負荷の低減は、モーダルシフトの目的というよりは結果の一つとみられている。
ただし、特に家電メーカーでは、家電リサイクル法が2001年4月より義務づけられるため、リサイクル品の輸送等については、鉄道や海運の利用への意識が強まるものと考えられる。