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4) シフトの成果・効果

モーダルシフトの成果・効果としては、輸送コスト(運賃)の低減がもっとも大きくあげられている。ほとんどの事例で、トラックと比較して運賃が低減されており、1割〜2割近いコストダウンを達成したというケースもみられる。輸送コスト(運賃)の低減がモーダルシフトの効果として実際に生じている。

なお、今後シフトを検討する企業においても、輸送コスト低減がモーダルシフトのもっとも大きな効果として期待されていることから、モーダルシフトにとって、輸送コストの削減は必須条件といえよう。

5) 今後の継続意向

これまでモーダルシフトを実施してきた荷主企業は、試験的に実施したという1事例以外は、すべて今後ともシフトを継続すると回答している。

荷主企業にとっては、運賃(輸送コスト)の低減がもっとも大きなシフト理由となっていたが、現在と同じ程度のコストメリットがあるのであれば、利用を継続するとしている。また、輸送モードの選択を物流事業者に任せている荷主企業は、物流事業者が今後も鉄道を利用するのであればそれに従うとしている。

トラックに比べて運賃面で現状程度の優位性があれば、すでにシフトしている荷主企業は、今後も利用を継続するものとみられる。現在のコストメリットにとくに不満は感じていない企業が多い。

なお、試験的に実施した1事例では、最大2割程度のコスト削減効果があったものの、リードタイムの長さがネックとなり、利用継続は難しいとしている。

リードタイムの問題について、着側と調整できるかどうかが、利用継続へ向けて大きな課題といえよう。

6) 関係先への要望

特に、鉄道コンテナ輸送について、運賃の刻みを細かくしてほしいとの要望がみられた。また、線区によっては鉄道コンテナ列車の本数が少なく、輸送枠の確保が難しいとの声がきかれた。従って、輸送枠が確保できることへの要望も強い。

 

 

 

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