2] 施策展開内容
ここではヒアリング調査で得られた知見を参考としつつ、セーフティドライビングシステムの展開のあり方について検討する。
1) 事業者が単独で導入を図る場合
■賞与等ドライバーへのインセンティブによる投資コストの早期回収
セーフティドライビングシステムの導入により、車両走行や停止時の詳細なデータがグラフチャートで把握できるため、記録された運行状況に応じた安全および経済運転の評価が可能である。
しかしながら、中小事業者にとっては、設備挿入に係る初期コストが少なからず負担となることから、セーフティドライビングシステムの普及拡大には、コスト回収が早期に図られる仕組みが望まれる。
ヒアリングにおいては、運行状況に応じドライバーに賞与を与えるという事業者もあり、こうしたドライバーへのインセンティブによる省エネ運転の徹底により、初期コストの早期回収が期待される。
2) 組合等団体で導入を図る場合
■省エネ運転の実験会等の実施によるPR
アクセルやブレーキをなめらかにしたり、一般道における最高速度を40km/hに遵守する等の省エネ運転の徹底により、燃費を3〜4割削減できるとも言われている。
組合等の団体においては、自動車メーカー等のテストコース等において、省エネ運転の実験を行う際に多数の参加が可能であり、その効果を具体的にPRすることにより、省エネ運転への意識を組織として高めることが期待される。
■組合構成事業者間の省エネ技術コンテストの実施
組合等の団体においては、単独の事業者における賞与等のインセンティブに代わるものとして、組合構成事業者間の省エネ運転技術のコンテストを定期的に実施したり、その運転技術の指導講習会を開催したりすることにより、一層の省エネ運転の徹底が図られるものと期待される。