2. 運行実務段階における主要施策と施策展開内容の検討
ここでは、運行実務段階において想定される取組として、「セーフティドライビングシステム」と「仮眠用蓄熱式マット」をモデル事業として取り上げ、その施策展開内容の検討を行う。
(1) セーフティドライビングシステム
従来のアナログ式タコグラフが運行管理者のデータ解析を要するのに比べ、コンピュータによる運行管理が可能なため、運行管理者の負担が軽減されるとともに、正確な運行状況の管理が可能であることが特徴である。以下に本システムのメリットをあげる。
1] セーフティドライビングシステムのメリット
1) 簡単な操作で、多種多様なデータが収集・分析が可能
運転開始時にデータカードを記録計本体に差し込み、後は、高速と一般道、作業と休憩のそれぞれを切り替えるだけで、労務運行管理や安全管理、経済管理等に関する様々なデータが収集でき、データ分析もデータカードを介して行われるため、運転者は帰社後、即時に運行状況が確認できる。
2) 安全管理のための即時診断および指導が徹底できる
運転者の帰社後、乗務員ごとの1日の走行状況が、詳細なデータで即時解析できるため、安全管理者等により、その場で安全運転や省エネ運転等の指導徹底が可能である。
3) データ分析による車両管理の徹底で燃費が向上
車両走行や停止時の詳細なデータがグラフチャートで把握できるため、無駄なアイドリングの防止・速度超過や波状運転防止等の指導が可能であり、安全管理に加え、燃料経費の節約等経済管理も可能である。
4) 日報の自動作成で効果的な労務管理が実現
データカードは、出庫、帰庫時に挿入・離脱されるため、乗務日報が自動作成できるため、労務管理の効率化を図ることができる。
また、データカードは、1日〜1週間までの運行に対応可能なメモリーサイズのものが数種類あり、運行状況に合わせた選択が可能となっている。