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■参画するトラック事業者の企業規模への配慮

ポケベルによる傭車システムは、個々に有するネットワークでは相互斡旋の連携相手先を効率的に確保できないという中小企業の課題解決を目的としたシステムである。このため、このシステムに明らかに企業規模が大きく、他の会員とは異なるネットワークを有する企業が参画した場合、会員から発せられた傭車要請を一旦引き受け、自ら有しているネットワークを用いて再委託し、手数料を取るといった二次斡旋の懸念があるなど、様々な課題の発生が想定される。

このため、参画する事業者は原則として中小トラック事業者に限定し、他の会員と極端に企業規模が異なる会員の参画は避けることが望ましいと考えられる。

 

■事務局を担うリーダーの確保

ポケベルによる傭車システムは、システムの設立、運営のコストが最小限であることがメリットとされるシステムである。したがって事務局組織それ自体は営利組織としては想定されないことから、会員企業の中で、ボランタリーに事務局機能を担うリーダーが存在することが不可欠である。

 

2] 想定される施策オプション

ここでは、基本フレームをベースにしつつ、施策の具体的な展開に際して、地域や会員企業の特性に応じて、いくつかの異なった対応が想定される事項について、想定される取組のタイプとそれぞれのメリット、デメリットについて整理する。

 

1) 単一事務局の会員の広域性

* 単一事務局による会員の広域募集のメリットとデメリット

単一事務局が管理する会員組織を広域的に展開した場合は、広域的な輸送における傭車の促進には有利であり、Pネットの例に見られる通り、同一地域内での集配需要が大都市圏と比較して高くない地方圏においては、こうした組織形態が適しているといえる。しかし、会員組織を広域的に展開すれば会員間の人的なつながりを密にすることは困難である。

こうしたデメリットを解消するためには、事例(Pネット)でも見られた会報等での会員企業の紹介など、会員間の交流を促進する取組によって補うことが必要である。

 

 

 

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