(3) 経営全体に関わる施策
1] ISO認証取得による環境マネジメントシステムの構築
【ポイント】
○物流業者でも大手の事業者にはISO14001認証取得の動きがみられる。中小事業者による単体での認証取得には、費用や時間等の課題があるため、組合の共同施設等において先行的に認証取得することにより、組合を構成する事業者が認証取得しやすい環境を整備することが望まれる。
<ヒアリング調査で把握された事例>
・ISO14001の取得は本部ごとに独自に取り組んでもらっているが、本社に属するISO推進室の役割は社内全体にISOを理解してもらうことである。ただし、指示はせず側面支援までである。
・ISO14001は今後、業務上必要な資格となると考え、創業90周年事業の中心的事業としてISO14001認証取得に向けた取り組みを開始した。1996年に認証取得のためのプロジェクトチームを結成し、1998年3月20日に認証取得した。環境管理システムを導入して環境負荷の削減に取り組んだことにより、通常業務のサービス低下を招くことはなかった。
・ISO導入の効果としては、環境問題への取り組みが社会貢献のアピールなったこと、全社一丸の取り組みによる一体感の形成、他の事業体に対してISO14001認証取得の指導を行えるようになったこと、ごみ廃棄費用、燃料費の削減につながったことがあげられる。
・ISO導入による具体的実施内容は以下の通り。
* 担当者がチェックリストによりチェック
* 大型機械オペレーターに対する啓発
* 電気・ガス・軽油などの効率的利用
* パソコンとコピーのペーパーレス化
* コンテナ船から出るコンテナ固定用の材木などのリサイクル(以前は焼却処分などを行っていた)
* 廃棄物の分別を開始
* 排出ガス量などの目標値設定とその達成方法がISO審査の対象となるため、倉庫内の輸送機器を自動車から電気自動車へと徐々にシフト
* オフィス照明のスイッチを複数個に分割して、休日などにフロアすべての電気が点灯しないようにすることによる消費電力の削減