(2) 運行実務段階における施策
1] 運転方法の改善
【ポイント】
○省エネルギー運転の実施により、燃費を3〜4割削減できる。こうしたことを実験で実証することにより、ドライバーへの教育効果も期待される。
○トラックに安全運転記録計システム(セーフティドライビングシステム)を装備することにより、ドライバーへの評価、指導が行われている。
<ヒアリング調査で把握された事例>
・省エネルギー運転(アクセルやブレーキをなめらかにする、最高速度40km/hを遵守する等)の実施により、燃費を3〜4割改善できる(時間のロスは3〜5分)。自動車メーカーの協力を得て実験をしたところ、実際にこの結果が出た。
・実験をやってみせることは説得力があるので、省エネルギー運転をドライバーに教育するのに効果的。自動車メーカーも実験には積極的に協力してくれる。
・トラックにタコグラフを装備しており、運転手のくせをチェックできるようになっている。
・安全運転記録計システム(セーフティドライビングシステム)を開発している。5トン車以上に取り付けが義務づけられているアナログのタコグラフをデジタル化した機器である。
・セーフティドライビングシステムの導入により、車両運行の効率化が可能となった。セーフティドライビングシステムは、メモリカードを各トラックに取り付け、走行時間、走行距離、最高速度、燃費等を計算できるシステムで、これにより記録された運行状況に応じてドライバーに賞与を与えるという措置を取っている。システム導入費用は、20台で400〜500万円程度だった。
・運転手による燃費の違いは、10t車で最も優秀な者で約4km/L、劣った者で約3km/L(3割超の燃費向上)である。トラックは年間で約15万km走行することから、費用削減効果とCO2排出量削減効果は非常に大きい。
【運転方法の改善の代表的事例】
安全運転記録計システム(セーフティドライビングシステム)の活用
* 内容
(概要)
・安全運転記録計システム(セーフティドライビングシステム)とは、メモリカードを各トラックに取り付け、走行時間、走行距離、最高速度、燃費等を計算できるシステムである。安全運転記録計システムを導入したことにより、車両運行の効率化を図ることが可能となった。