4] 荷主との協力による配車調整
【ポイント】
○荷主との配車調整を個別に行うことにより、トラック1台あたりの積載率を向上、トラック台数や走行量を削減している。その際、輸送コスト削減による運送事業者側のメリットを荷主に対しても料金値下げという形で還元している。
<ヒアリング調査で把握された事例>
・ある荷主(1社)との協議により、運送事業者側はいつでも集荷に行ける状態を整えておくことと輸送費を割り引くことを条件に、従来は1日に9回であった集荷回数を7回に減らしてもらう方向で話が進んでいる。これが実現すれば1集荷あたりの積載率が向上し、集荷に必要だった必要車両数を1日あたり1台カットすることができる。
・荷主の直前キャンセルにより、少量の貨物を大型車で運ぶケースが多かったため、荷主との相談により、前日の午後3時までに荷物の量を確定させるようにした。この結果、荷物が少ない場合には、小型車両で対応することができ、削減された輸送費を荷主に還元することができた。このため、荷主にも喜ばれ、結果的に他の仕事も増えた。
5] 積載量の見直し
【ポイント】
○パレットに積載可能な量を見直すことにより積載率を向上し、運賃値下げが実現した。
○積載量の規制緩和により、輸送が効率化され、CO2排出量の削減の視点からは好ましいという指摘がある。
<ヒアリング調査で把握された事例>
・従来、一つのパレットの上に箱を20個載せていたが、これを見直したところ、30個載せても問題ないことが判明した。ささいなことだが、これによって必要なトラック台数が削減され、輸送費も削減されたため荷主に喜ばれた。当たり前だと思っていたことを見直し、無駄をなくすことも重要である。
・パレットを利用することにより、かえって積載効率の低下をもたらすことがある。粉状、液状の製品であればパレット寸法に合わせた荷姿にする事が可能であるが、家電製品の荷姿は常に変化するのでパレット輸送になじまない。パレットの統一化は現実的には困難であるが、可能性があるとすればトラックの荷台幅を基準としたパレットではないか。
・10t車に13t積載可能になったことにより物流の効率化が進んだ。積載量が多くなったため、燃費は10%程度悪化したが、積載率の向上による効率化と走行車両台数の減少による渋滞緩和の効果が大きいのでそれほど問題にならない。むしろCO2排出量の削減の視点からは好ましい。