(「パソコン通信ネットワーク利用による全国システム」の実現に向けた課題)
・「ネットワークKIT」の活用
日本貨物運送協同組合連合会が運営する「ネットワークKIT」(15,000社が加入)を利用することにより、他地域の業者と連携する方向性が考えられる。この場合のメリットとしては、日本貨物運送協同組合連合会がシステム運営に責任を持っているので決済など安全面での問題が少ないこと、広域的な物流効率化が実現し、環境面への寄与も大きいことなどがあげられる。また、現行のNTT-PCネットワークからインターネットに置き換えることにより汎用性及びフレキシビリティが高まることが期待される。
【ポケベルを利用した相互斡旋の代表的事例】
ポケベル傭車システム(Pネット)による求荷・求車システム
* 目的
・ポケベル傭車システム導入の目的は、融通配車をすることで実車率を少しでも上げることであった。
・ポケットベルを利用しようと考えたのは、値段が安い、専用のオペレーターも必要でないなどの理由からである。
・環境問題への貢献も考慮した。
* 内容
(本システムの概要)
・Pネットはポケットベルを活用した「一斉同報」システムにより、一度の情報発信で多数の会員に情報発信を行える(一斉同報の対象数は事業者が利用する場合原則として制限はない)。
・ポケベルに入った情報を元に、会員が相互に連絡を取って契約の成否を決める。
・情報を受け取る配車係の利便性を高めるため、発地、着地は番号で入力するとポケベルにはカタカナで地名が表示されるようになっている。
・Pネットでは、区間と日時を指定さえすれば、求荷情報の発信も禁止していない。特定の地区間の特定の日時の荷物が欲しいということは、その区間・日時に片荷の貨物を持っているということを情報発信しているに等しい。また求荷でも情報発信して良いというルールの方が情報発信が活発となり、メリットがある。
ただし、どこでもいいから荷物が欲しいという情報の発信は禁止している。
・全国一斉同報はあえて禁じている。理由としては、全国一斉に発信すると、大手の中間業者がすべて押さえる可能性がある。求荷・求車情報の提供時に、5〜10%のマージンをとって孫受けに出すといった形での大手業者の独占が進む可能性がある。
(参加状況)
・現在の会員数は76社(九州地方:71社、九州地方以外:5社)