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■運輸部門における二酸化炭素排出原単位

 

旅客輸送機関の二酸化炭素排出原単位(1人を1km運ぶ際の二酸化炭素排出量(炭素換算))を見ると、自家用乗用車は鉄道の約9倍もの二酸化炭素を排出していることになり、二酸化炭素排出量削減のためには、自家用乗用車に比べて二酸化炭素排出原単位の小さい公共交通機関の利用促進を図る必要があります。

また、貨物輸送機関の二酸化炭素排出原単位(1トンの荷物を1km運ぶ際の二酸化炭素排出量(炭素換算))をみると、自家用小型トラックは鉄道の100倍、内航海運の60倍、営業用小型トラックの3.3倍の二酸化炭素を排出していることになり、鉄道や内航貨物へのモーダルシフト等物流の効率化を図る必要があります。

 

●旅客輸送機関の二酸化炭素排出原単位

 

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資料:地球温暖化問題への国内対策に関する関係審議会合同会議資料

 

●貨物輸送機関の二酸化炭素排出原単位

 

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資料:地球温暖化問題への国内対策に関する関係審議会合同会議資料

 

■運輸部門における二酸化炭素以外の温室効果ガスの排出

 

二酸化炭素以外にも、メタン、亜酸化窒素、HFCの各温室効果ガスの排出に運輸部門が関わっています。

メタンは、ガソリンや軽油がエンジン内で燃焼される際、これらの一部が分解することにより生成、排出され、1994年度では、我が国におけるメタンの排出量のうち約5%が運輸部門からの排出となっています。現在我が国では、自動車に対する炭化水素(メタンも含む)の規制が実施されており、技術の進歩に伴い段階的に強化されてきています。

亜酸化窒素は主としてエンジンから排出される排出ガスを浄化するための触媒を通過する際に、副成、排出されています。亜酸化窒素の排出量を把握する研究は始まったばかりであり、今後も引続き、亜酸化窒素排出削減のために、研究を続けていく必要があります。

HFCは、カーエアコンや冷蔵庫の冷媒等に用いられており、その廃棄の際に出ることが知られています。今後とも、回収を徹底すると同時に再利用、破壊などの対策を講じていく必要があります。

 

 

 

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