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7-4. 交通ボランティアに必要となる知識や技術を研修する場の検討

 

(1) 交通ボランティア体験講座の普及

 

当財団では、交通ボランティアの普及を目的に平成7年度より全国で年間2回程度「交通ボランティア育成講座」を開催している。

また、車イス使用者や高齢者にも利用しやすい「ノンステップバス」の普及を目指す、「ノンステップバスセミナー」の中でも、車イスの介助体験等を実施している。

交通ボランティアについては、視覚障害者の介助や車イスの昇降等ある程度専門的な技術と知識を必要とするレベルの支援から、手荷物の運搬や平面又は斜面での車イス走行の補助等の比較的簡単なレベルの支援まであるが、いずれのケースにおいても普段あまり障害者と接する機会の少ない一般の方にとっては、「声をかけてあげたいのであるが、どのようにしてあげればよいかわからない」といった『きっかけ』がつかめないという側面もあるものと考えられる。

そこで、交通ボランティアをより身近な社会奉仕活動として多くの人に認識してもらい、正しい介助方法を学んでいただくために、「交通ボランティア体験講座」を今後全国で拡大していくことが必要である。

「交通ボランティア体験講座」の開催に際しては、従来より交通事業者や障害者団体の協力によって駅等の交通ターミナルを会場として実施しているが、今後は学校や職場、地域の福祉センターや公民館等のより身近なコミュニティの中でも開催していくことが必要となるものと考えられる。

 

(2) 交通ボランティアトレーナーの育成

 

「交通ボランティア体験講座」の開催回数を増やし、より多くの人に「交通ボランティア」を体験・実践してもらうためには、「交通ボランティアの先生」とでもいうべき「交通ボランティアトレーナー」を育成していくことが必要となると考えられる。

「交通ボランティアトレーナー」を担う人材としては、実際に公共交通の現場で介助にあたる運輸交通事業者の職員及びOB、福祉現場で高齢者や障害者の介助にあたる行政及び民間の福祉関係者、福祉や移動支援の分野で活躍している交通ボランティア関連活動団体の関係者等が想定される。

また、こうした「交通ボランティアトレーナー」は視覚障害者の介助や車イスの階段の昇降等ある程度の専門的技術と知識を必要とするドアツードア型の送迎ボランティアの一種としての交通ボランティアの担い手としても期待できる人材である。

このような「交通ボランティアトレーナー」を育成し、より身近なところで多くの人が交通ボランティアを体験し、認識してもらうことが必要と考えられる。

 

 

 

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