5-3. 交通ボランティアに対する考え方
今回の調査では、7社会福祉協議会にヒアリング調査を実施した。その結果を踏まえ、社会福祉協議会を中心に交通ボランティアに対する考え方を記述する。
(1) 社会福祉協議会が運営する福祉サービスについて
今回の調査では、7社会福祉協議会にヒアリング調査を実施した。福祉バスの運行が、交通ボランティアの一部であると考えると、制度としても最も実施されているボランティア活動の一つであるといえる。ただし、高齢者や障害者の福祉施設等と自宅との送迎等を目的とした福祉バスは運行時間、ルート、目的地が決定していることから高年齢者、身障者の外出のスポットな要求には応えられない限定されたサービスである。
(2) 相談窓口の有無
高年齢者、身体障害者が交通機関を使用するに関して、事前に交通施設の確認や旅程についての相談をしたい場合に社会福祉協議会に相談窓口があるかという質問に対して7協議会のうち3協議会が「ある」と答えている。なお、相談窓口が「ない」と答えた協議会についても、正式な相談窓口がない場合でも実際には相談に答えている場合が多いことが今回の調査でわかった。
(3) 情報提供の方法
情報提供の方法としてはパンフレット等の紙媒体とパソコン等の電子媒体がある。
パンフレット等の紙媒体には、社会福祉協議会発行の月刊誌、季刊誌に専用コラム欄を設けている場合や専用の小冊子、ガイドブック等を発行している。内容については、詳細の内容から概略のみ記述しているものまで様々である。なお、パソコン等の電子媒体については、社会福祉協議会に設置されている照会端末機で内容を照会する形式が多い。現状ではCATVやインターネットなどのオープンネットワークまでは進んではいない。
(4) 交通ボランティアの有無
交通ボランティアの有無については、全部の社会福祉協議会で現在駅等の公共交通施設内において不特定多数の人を対象とした交通ボランティアは無いし、活動は行っていないと答えている。一方、外出時に高年齢者や身体障害者の介助をするガイドヘルパーやホームヘルパーである外出ボランティアについては、6協議会が有ると答えている。さらに車イスの移送を支援する移送サービスについてもほとんどの社会福祉協議会で実施していた。