4. 民間ボランティア団体の活動状況の把握
4-1. 民間ボランティア団体の交通ボランティア関連活動の状況
民間ボランティア団体の交通ボランティア関連活動状況については、ヒアリングの結果以下のように整理された。
(1) 移送サービス実施団体
移送サービス団体とは、車イスの障害者を中心としてワゴン車等の専用の自動車により通院・買い物・旅行等の移送サービスを実施しているボランティア団体である。全国のこうした団体間でネットワーク化が進みつつある。
基本的には、自動車による個別輸送であり、現在すべての高齢者・障害者にとって決して利用しやすいものではない公共交通機関による移動を確保する手段の一つとして位置づけられるが、移送サービスの利用者が長距離の旅行等で公共交通機関を利用する際に、移送サービス団体のボランティアが駅等で介助を行うこともある。
しかし、原則、介助の対象は移送サービス団体の会員等特定の利用者に限定されているケースが多い。
(2) 視覚障害者を対象としたガイドヘルパーボランティア団体
ガイドヘルパーボランティア団体とは、視覚障害者の移動を支援するために、厚生省で定められたガイドヘルパー制度以外のボランティアでガイドヘルプをするボランティア団体である。全国レベルでのネットワークが整備されており、遠距離の移動においても各地で利用が可能である。
(3) 高齢者・障害者等を対象とした福祉活動団体
高齢者や障害者の日常生活の介助や慰問等の福祉活動を実施しているボランティア団体が、運動会や旅行等の移動を必要とするイベントが開催される際に、付き添いとして高齢者や障害者の公共交通機関利用を含めた移動を支援するケース。
公共交通機関利用の際にもあらかじめ交通事業者に連絡等を実施して活動しているが、特定の障害者施設や高齢者施設を中心とした活動であり、介助の対象は特定の利用者に限定されているケースが多い。