2] 介助方法についての研修・マニュアル等の有無
航空事業者においては、客室乗務員、地上勤務の職員共に高齢者や障害者の介助方法に関する研修は全員が受講している。また、研修の際に使用するマニュアルも整備されており、今回の調査対象とした各交通事業者の中では最も先進的な例といえる。
フェリーについては、今回の調査対象先では特に研修やマニュアルは用意していなかった。
3] バリアフリー化の実態
航空事業者においては、空港施設自体があまり段差がないため、エレベーターやエスカレーターを用意しなくても車イスでの利用が容易であるが、段差のある個所については、エレベーターまたはエスカレーター設備の整備がされていた。
また、障害者用トイレについても、今回調査対象のすべての航空事業者で整備されていた。
フェリーについては、今回調査対象先の場合、岸壁からの乗船はスロープ状のタラップからまたは、岸壁から直接乗船する形のいずれかで対応しており、ターミナル施設におけるバリアフリー化については、特に問題がなかった。今回の調査対象先では、船内のバリアフリー化のために船内にもエレベーターを設置した船を運航していたが、船内のエレベーターは航行に伴う揺れや塩害等の影響で設置後1年程度で故障してしまい、現状修理不能とのことであった。
4] バリアフリー情報提供の現状
航空事業者においては、各社自社の時刻表に高齢者や障害者の利用方法についての情報も掲載しており、さらに専用の相談電話窓口を用意していた。空港施設等のバリアフリー整備状況等に関する情報は掲載されていないが、基本的には空港で職員がすべて対応する体制となっているとのことであった。
フェリーについては、今回調査対象先では、特に情報提供は実施していなかった。
5] 交通ボランティアに対する考え方
航空事業者では、高齢者や障害者に対する介助体制がほぼ整備されていることや安全管理上の理由から部外者が機内等で活動されることを望ましくないと考えており、交通ボランティアの必要性については、特に必要ないという意見であった。
フェリーについては、今回の調査対象先では、交通ボランティア活動を実施している例はないが、できれば必要という意見があった。