5] 交通ボランティアに対する考え方
交通ボランティアに対する考え方については、JRグループ各社でも相違が見られた。バリアフリー化の整備がコスト面等の様々な要因からすぐには難しい事業者では、交通ボランティアが必要という意見に対し、比較的バリアフリー化が進んでいる事業者では、交通ボランティアは不要という意見であった。
私鉄においては、K駅はターミナル駅でありバリアフリー化の整備及び高齢者や障害者の対応にあたる職員も十分にいるために交通ボランティアは不要であるが、郊外の駅等では設備面や職員数の関係から必要という意見であった。しかしながら、K駅では駅構内で鉄道事業者以外の人が活動することによって万一事故等が発生した場合の責任関係の明確化等について危惧する意見もあった。
地下鉄及び新交通においては、今回の調査対象先が比較的バリアフリー化が進んでいる事業者が多く、公営交通であることもあり、K駅同様万一の事故の際の責任問題を明確化しておく必要があるとの意見が多く聞かれた。
3-2. バス分野における介助業務の実態及び問題点の把握
(1) バス事業者における介助業務の実態及び問題点の把握
1] 受け入れ体制と利用方法
バス事業者においては、バスターミナルや各営業所以外では職員が配置されていないため、ターミナルや営業所での対応となる。バスターミナルや各営業所の職員は、乗車券の発売及び案内業務に対応しているケースが多く、今回の調査対象先の中では、高齢者や障害者向けの専用の窓口を設置している事業者は見られなかった。
高齢者や障害者の介助業務に対応する人も手の空いた係員が対応するか、各バスの運転手が対応するというケースのいずれかであった
利用方法については、今回の調査対象先では、すべての事業者で事前申し込みは不要としている。しかし、対応は運転手があたっているケースがほとんどであることより、利用に際しては多少の時間が必要になるケースがあるとの回答をした事業者もあった。
2] 介助方法についての研修・マニュアル等の有無