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『ノーマライゼーション』という考え方は、高齢者も若者も障害者もそうでないものも人間としてノーマルな生活を送るために、あらゆる人々がともに暮らし、ともに生きぬくような社会を形成しようという考え方である。一方、高齢者や障害者の施設をつくり、しかも遠くへ隔離・分断するような社会はアブノーマルだという考え方である。

『インテグレーション』という言葉は、「統合化」と訳される。この「統合化」は障害者と健常者があらゆる機会に相互に共同、協同していく可能性を追求する過程のことである。「統合化」がはかられることが可能なレベルは、障害者自身の生活に関わること、地域内で障害者が関わること、そして行政の諸機能の調整・連絡がある。この3つのレベルが統合されてはじめて『インテグレーション』の実現が可能になる。

 

参考文献:一番ケ瀬康子;社会福祉著作集第三巻 生涯福祉・ノーマライゼーション 労働旬報社P194-202

 

1-3. 交通行動時に必要な能力

 

私たちが、電車、バス、飛行機等の公共交通機関を利用する場合に必要とされる能力について整理をしてみる。

交通行動時における必要とされる能力は、運動能力と情報収集能力と知的判断能力に大別される。

 

図1 交通行動に必要な能力の分類

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まず、運動能力については、歩行能力があげられる。歩行能力とは、水平移動及び階段等の垂直移動を含む移動に必要な能力とここでは定義する。

つぎに情報収集能力については、視覚能力と聴覚能力があげられる。視覚能力は、交通施設内及び車輌内における行き先案内表示、施設案内表示等の場所や方向に関する情報を視覚により瞬時に収集するために必要な能力であり、聴覚能力とは、案内放送等により乗車場所、乗換駅、交通機関の遅れ等の変化に関する情報を聴覚により瞬時に収集するための能力である。

 

 

 

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