よって、ホームドアを設置したことにより運用上差し支えることにはならないと考える。
4.2.2 ラッシュ時間帯のホーム整理員が居る場合の運用の検討
ラッシュアワー時間帯にホーム整理要員が居る場合には、2枚ドアが閉じる時に最後まで車両ドアの閉じを監視し挟み込みなどに対し救援するホーム整理要員をどのようにホーム側へ脱出させるかにつき考慮しなければならない。
以下この脱出方法につき検討を行う。
(1) ホーム整理要員の目的
ラッシュアワー時間帯にホーム整理要員は以下のような作業を行うものと推定した。
・ホーム待ち客の整理
・尻押しによる出発遅延防止
・駆け込み客の戸挟み監視と救済
・出発前の安全確認と出発合図
(2) ホームドアが閉まる時のホーム整理要員の脱出を考慮した運用方法
このホーム整理要員は通常の輸送業務を超えた状態をカバーするものであり、この場合のホームドアの運用方法として以下の方法が考えられる。
・対策案7:ラッシュ時間帯でホーム整理員が存在するホームまたはドアは、ホームドア閉状態を“半閉じ状態”とすることによりホーム整理員がホーム側に脱出する路を確保する。(前記の対策案6-1、対策案6-2に関連する)
・対策案8:ラッシュ時間帯はホームドアを“半閉じ状態”で列車を出発させ、列車がホームを抜けたら“完全閉じ状態”とする。(但し、出発のためのホームドア閉条件は、ラッシュ時間帯に限り駅務員によるスイッチ操作で作る)
・対策案9:ラッシュ時間帯はホームドアを開状態のままとする。(使用しない)
4.2.3 異常状態の検知と安全確保策の検討
ホームドアを新たに設置する場合に、設置することにより発生するマイナス面の検討を行なわなければならない。
考えられる異常状態として以下状態を想定した。但し、ホームドアの強度・寸法に関わることは除き、動作に関わるもののみについて示す。
1] 2枚ドアによる封じ込め:ドア閉時に2枚ドア(車両ドアとホームドア)間に乗客を封じ込めてしまう(特に背の低い小さな子供は見つけ難い)