東急池上線(安全柵センサー付き) 500mm(柵中心) 300mm(センサー中心)
銀座線新橋駅(島式ホーム未使用部) 550mm(柵面)
JR渋谷駅(同上) 300mm(柵面)
小田急下北沢駅(同上) 420mm(柵面)
(「離隔距離1」として見る場合、上記寸法にプラットホーム部の建築限界と車両限界の間隔を加えることとなる)
(c) その他
・ホームドア外歩行
JR東日本の試験、東急池上線の例では、列車乗降時に柵外歩行が観察されている。特に降車客の多いところで生じる。列車が止まっているときのみの事象であるため、禁止する・しないのスタンスを明確にする必要がある。禁止するのであれば、進入禁止柵等を設ける。
一方、軌道内の保守員作業員や万が一の転落事故時の避難のために、ドア外に必要最小限の通路幅を持たせるかどうかも明確にする必要がある。
・高さとの相関を考慮
人の寄り掛かりや物の立て掛けを考慮すると離隔距離1は400mm程度必要
・乗降、歩行効率は減少するため、極力幅員をとることが望まれる
・車掌の出発監視
JR東日本の試験結果(車掌へのアンケート)より、極力離隔距離を取る方がよく、?は365mm必要という結果がある。
・施工上の問題であるが、ノンスリップタイルを外した位置への設置も考えられる。
・ドア、戸袋へ寄り掛かりにくいデザイン
・カント(建築限界の拡大)を考慮(今後のスピードアップへも配慮)
(4) まとめ
以上の検討および「鉄道における視覚障害者に配慮した誘導方策等の検討に関する調査報告書」(平成10年3月、財団法人鉄道総合技術研究所)の乗り出し試験結果より、ホームドア・戸袋高さ、離隔距離1を考察すると、以下となる。
ホーム側旅客の安全から必要な高さは1200mm以上が望まれる。
一方、車内の乗務員(車掌)の安全から必要な高さは1300mm以下が望ましいため(850mmの窓高は考慮していない)、両者の条件を満足させる値としてホームドア・戸袋高さは1200mm〜1300mm程度が妥当ではないかと考える。
なお、ホームドア・戸袋の高さは圧迫感の減少、ドア本体コストおよび施工の面からは低く抑えることが望まれる。このため、表示、放送等による注意喚起を行うことにより、高さ寸法の縮小を図ることも考えられる。