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バスのためにこれらを行うには社会的合意が必要である。ITSの利用などにより信頼感を多少なりとも向上させていくことも重要であろう。

●浜松のまちづくりと公共交通整備の歩み

浜松市は全国的に見てもバス交通や道路交通の取り組みが先進的な都市である(浜松市や遠州鉄道の取り組み事例を紹介)

<パネルディスカッション>

テーマ:モビリティの向上と人

久保田氏をコーディネーターに運輸省、浜松市、遠州鉄道、旭川電気軌道がパネラーとなって行われた。

 

東京会場

 

地域に適合したサービスを

 

<基調講演>

テーマ:これからの福祉社会と環境に対応した公共交通

講師:東京大学大学院工学系研究科教授

太田勝敏氏

●背景-これからの交通社会

今後進展が予想されることは、まず総人口の安定と高齢化があり、また社会経済システムの転換・再構築も進められる。さらに地方分権化、規制緩和、事故責任原則の強化などにより地域の自立の必要性が高まってくる。なかで交通政策の課題としては車依存度の上昇とモビリティの格差、中心市街地の衰退、環境対応などが上げられる。

持続可能な交通(モビリティ)とは1]環境・生態(含む健康・安全)2]経済・財政面(効率的、安定的に交通サービスを提供すること)3]社会面(公平なモビリティの確保)などへの対応が課題になる。

●公共交通の役割

統合交通システムにおける公共交通の役割としては1]代替交通サービスの提供、環境付加の小さな交通手段2]効率的モビリティの提供(大量輸送)3]モビリティ・ミニマムの保証(交通弱者、移動制約者)4]都市・社会政策の支援などが挙げられる。このなかでバスの特性と役割としては、乗合(中量大量も)可能な輸送機関であり、輸送力やサービス内容、路線の選定、初期投資などの面でフレキシブルな交通手段といえる。逆にこれらの条件によってサービス内容は大きく変動し、現状ではサービス(速度、運賃)の低下とバス離れの悪循環が続いている。

福祉と環境の面から公共交通機関の方向性を探ると、利用者・環境・都市にやさしいバス、地域のニーズにあったサービスの開発と提供、自治体レベルでの計画と支援体制づくりなどがある。

<パネルディスカッション>

テーマ:バス新世紀へ向けて

東京大学大学院工学系研究課助教授・鎌田実氏をコーディネーターに運輸省、東京都交通局、東急バスがパネラーとなって行われた。

鎌田氏はパネラーに対して、ノンステップバスの評価(利用者、事業者それぞれ)、降雪地での運行状況、導入の効果、検討課題などについて聞いた。これを受けて運輸省自動車交通局企画課・岩崎貞二課長は「バスをもっと良くしたいと規制緩和が続いているが、基本である乗合が低迷しており、大幅な緩和は都市部に新規参入が続き、既存会社の地方運営がますます厳しくなることが予想される。

こういうわけで乗合バスとタクシーは他の交通機関に比べて2年遅れの平成13年末から緩和されることになっている。従って速度の遅い規制緩和を待つのではなく、役所、自治体、事業者それぞれに発想の転換が必要と思われる。例えば地方路線は都市路線からカバーしてもらうのでなく、地方は地方だけで支えるような考え方が必要だ」と述べた。

 

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パネルディスカッション(東京会場)

 

 

 

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