交通局で平成10年2月24日から3月15日までの間、長野パラリンピック大会にノンステップバス15両を選手送迎用として貸し出しました。依頼があった当初は、リフト付きバス、スロープ付きバスを考えておりましたが、丁度交通局でノンステップバスを導入するという計画もありましたので、急遽ノンステップバスを充てることになりました。貸し出しに先立ちまして、平成9年7月10日と11日に競技会場だとか、関連施設だとか、路線について試験走行調査を実施して、運行に支障が無いことを確認しました。大会期間中のノンステップバスの運行につきましては、地元の長野電鉄さんと松本電鉄さん、それから川中島バスさんが運行にあたりました。長野電鉄さんと松本電鉄さんの方では、野沢温泉と志賀高原、川中島バスさんの方では白馬村地区を担当しました。
大会終了後に調査した結果では、野沢温泉と志賀高原につきましては登り坂とか急カーブがありまして、雪が無くても路面が凍結しているなど多少問題があったという結果になっています。白馬村のクロスカントリー会場に入る手前の駐車場ですが、未舗装であるため轍などができまして、床下を擦るという状況もありました。川中島バスさんの担当されました地区では3箇所程度施設の出入口に段差があり、その出入りに際して床下を擦るということもありました。また東京都では、ステップ高を下げるため、ノンステップバスに扁平タイヤを使用していますが、チェーンをつけるとその種類によりタイヤハウスと干渉することとなりました。さらに、高速道路を走行したときですが、都市内の一般バス路線仕様ということでパワーが小さいという報告もありました。故障の例では、電動スロープの故障、手動スロープが出にくいなどもありました。燃料系では、一般的なバスの燃料容量160lに対してノンステップバスは130lで、走行距離もかなり長かったため、1日に1度は燃料を補給しなければなりませんでした。
以上、多少問題もありましたが、起伏の多い降雪地ということで、条件的には都市での走行に比べ悪条件にもかかわらず、運行に支障を来すこともなく、概ね良好に走行できたのではないかと思います。こういうノンステップバスの特徴が十分に発揮でき、選手の方々の移動が安全かつスムーズに行えたことを考えますと、ノンステップバスがパラリンピックの成功に一役かったのではないかと思います。
一方、交通局では低公害バスの導入を進めています。ディーゼル車に対する排気ガスの規制は昭和49年以降段階的に強化されており、東京都でも平成元年5月に自動車公害防止計画を策定しまして、平成4年6月には自動車NOx法が制定されまして、それを受けて平成5年11月に自動車排出窒素酸化物総量規制削減計画を策定しております。このような東京都の環境政策に協調しまして、交通局では平成3年度に電気式ハイブリッドバスを、平成5年度蓄圧式ハイブリッドバスとアイドリングストップバスを、平成6年度にはCNGバスを導入しております。これにより窒素酸化物や黒鉛等の削減に努めております。
現在、平成3年度以降運行してみまして、低公害バスとしてはCNGバスが最も環境改善効果が高いということで、低公害バスの主力と考えまして、深川、臨海、北自動車営業所の3箇所にCNGバスの充填施設を設置しまして、67両のCNGバスを運行しています。平成10年度には26両導入予定で、CNG・ノンステップバスを含めまして、年度末で95両になります。
バスに搭載されているガスボンベは4〜5本であり、圧縮前のガス容積としましては120m3のガスが充填できます。1回あたりの充填量は50〜60m3で、充填時間は3〜4分程度となっています。航続距離につきましては約200km程度走れます。