私も今のポストに就いて2年近く経ち、いろいろ考えておりますが、地方部のバスを都市部の黒字で支えていくというのは、方向としてはやめなければならないのではないか。地方部の赤字というのは、生活交通、福祉交通な訳ですから、これは公が支えていくということで考えなければいけないのではないかと。国と地方公共団体の公的補助を中心としてやっていくのではないかと思います。ところが、国も地方公共団体も今はあまりお金がありませんから、本当に公的補助でできるのかどうかというのは、これからの課題です。今は生活路線の維持として国と地方公共団体と合わせて300億円の予算を使っております。しかし、規制緩和となれば300億円だけでは足りませんから、増やしていかなければなりません。その目処がつくのかどうかというのは一つの課題ですが、考え方としては地方部の交通は福祉の世界、公的なもので支えていきましょうと。それで都市の交通はお客さんもいますから、それは規制緩和をして、競争してもらって良いサービスを提供してもらうことによって、またお客さんが増えていって、それで良い交通システム、良い社会、良い交通づくり、良いバス・良いサービスという形でデフレスパイラルではなくて、上の向きのスパイラルで上がっていく、ということができないかと思っております。
その時にバス事業というのは、他の事業と違って道路を使ってやります。また、民間の方が規制緩和の中で競争をして頂いて、アイディアを出して頂くということだけで良くなるとは思っておりません。道路の使い方について、運輸省の所管を離れますが、建設省、警察庁といろいろお話をしながら道路をバスがうまく使えるようなシステム。バス専用レーンとかやっておりますけども、もっとうまく機能的なものにしていくとかの道路のうまい使い方を考えていくと共に、ノンステップバスの整備も考えていきたいと思います。バスは鉄道とか航空ほどの投資は必要ではありませんが、バスも車両とか、停留所とか、あるいは情報システムであるとかの資本投下もしなければなりません。そういうことについて、バスとマイカーとバランスがとれた社会を作っていくことが交通事故の減少につながり、環境問題にも良い効果を発揮しますし、マイカーに頼れない高齢者の方、障害者の方などの足としてのバリアフリー、非常に社会的にも意義のあることですから、政策的にも支援していきたいと思っております。
都市のバスは民営主体で良いサービスで競争して頂きますけども、そのための後押しについては役所もできる限りのことはやっていきましょうということで施策を進められないかと、運輸政策審議会で議論をして頂いております。役所内部で運輸省とお金を持っております大蔵省とか、自治省とか、道路関係の建設省、警察庁と相談をしながら進めております。まだ結論は出ておりませんが、そういう方向で勉強しながら進めていきたいなと考えております。
そういう中で都市と限らず地方でも結構なんですが、バス自体を良いサービスにしていく重要な鍵のひとつが、このノンステップバスではないかと思っていまして、これについて補助予算を増やしながらやっていおります。補助と言いましてもたいした額ではないのですが、バスの予算の中ではある程度規模がありまして平成9年度では11億円だったのですが、平成10年度では今のご時世としては珍しく、ちょっとした自慢なのですが14億円に増やす予定です。また今年度では補正予算で5億円を付けるなど一生懸命やっております。来年度予算について大蔵省と協議しておりますが、なかなか厳しいものですから要求通り通らないかもしれませんが。こういうバスのより良いサービスを提供していくための行政の後押しの予算については、拡充していきたいなと思っております。