日本財団 図書館


次に、外出に伴いどのようなことに困るかという調査結果をみますと、やはり道路や階段、乗物の利用、歩道の放置自転車、駅の設備が良くないといった点が上げられています。この他、建物の問題やトイレの問題等も上げられていますが、移動に伴う不便さ指摘するウエイトが大きくなっています。とくにバスサービスについての調査結果をみると、案内板が見にくい、放送が聞き難い、ステップの乗り降りが大変というようなものが高齢者から指摘されています。このように年齢により使いにくさの内容が異なります。

次に、ノーマライゼーションという言葉が一つのキーワードになりますが、住み慣れた家と地域で自立した生活ができるということが一番の共通項といえるのではないでしょうか。アプローチとしては様々なものがあると思いますが、福祉インフラの整備ということで、道路交通システム等が上げられます。先ほど話しましたように、車を運転される高齢者・障害者の方も大勢いらっしゃるので、そういった道路環境や駐車場環境を整備するということも重要となります。同時に公共交通ということで、運転ができなくなった人や運転しない人が選択できる交通システムも重要となります。関連施策として福祉のまちづくりも進んでいます。視点としては、高齢者・障害者を含む全体を対象とすること、すなわち健常者あるいは非高齢者の中にも一時的に移動に障害をもつ方も多くいらっしゃるということでも、ユニバーサルデザインのもつ意味が大きくなってくると思います。

ライフサイクル・モビリティについては、子どもは選択肢が徒歩だけというのでは困りますし、高齢者になって車を手放すといった状況の中でもミニマムのサービスが受けられるということが重要と考えられます。

福祉のまちづくりの中では、まちづくりと住まい、交通が重要となっており、最終的には先ほどのノーマライゼーションの目的のために、トータルに考えていく必要があります。交通政策はその一部であるということで、その中で公共交通もまた交通システム全体の中で考えていくことが重要といえます。

 

(2) バスの特性と役割

 

次にバスとの関係について話を進めますが、バス交通はいろいろな点で悪循環といわれていますが、渋滞に巻き込まれ速度が遅くなり、時間が正確でなくなることから、利用者が減り、その結果、バスの運賃が高くなり、結局利用者がさらに減るという議論です。その中で、バスの役割をどう考えるかということですが、バスは鉄道・地下鉄とタクシーの中間的な役割をもっていると考えています。というのは、技術的特性としてバスは非常にフレキシブルでいろいろな展開が可能であると考えています。

バスの特性としましては、輸送力の面でも少数輸送から大量輸送まで幅広い輸送ニーズに対応できる点があり、サービスの内容面でもドアトゥドアからカーブトゥカーブ(注.curb:路側の縁石)というようにかなりきめ細かい乗降を行うことも可能です。路線設定や初期投資面についても比較的自由度が高いという意味で、多様なサービスニーズに対応できるということです。ただ、問題は走行条件を整備していくことが重要です。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION