コンピュータ化すれば多少減るかもしれませんが、決してなくなるものではありませんから、そうした潜在需要に対して、どういうように対応していくかということが一番大きな問題かなと思います。
さらに、今の話と関連するかどうか分かりませんが、別の事例でお話をいたします。先日運輸省の仕事の関係でソウルに出張する機会がありました。そこで仕事がらバスやタクシーに乗らせて頂いたのですが、非常に便利でした。便利だったというのは、サービス内容が日本と同じ位かなと思ってたら、それよりはるかに便利だったということです。それでは日本とどこが違うのかを列挙すると、まず非常に頻繁にバスが来ることです。東京のバスと比べると、運行頻度という観点からすると、ソウルのバスは非常に頻繁に運行されていると思います。昼間の時間でも数分待っていると、同じ系統のバスがすぐ来るといった感じです。
それから非接触カードというのが全てのバスに付いておりまして、我が国で設置が進んでいる共通カードを既に超えている状況にあります。乗客の方々の2人に1人位はICカードをお持ちで、それで支払いをしている状況です。
それから運賃が非常に安いことです。安い原因の一つには、昨年来の韓国のウォン安があると思いますが、今の為替レートでいくと50円位でバスに乗れるという状況です。食料品等の物価が日本並みであるのに対して、公共交通機関の料金が格段に安くなっています。補助金が入っているのかどうか原因はよく分かりませんが、そういう状況になっています。
韓国と浜松を比較した場合に、浜松の方が進んでいることと言えば、まずソウルにはノンステップバスは走っておりません。それから、ハイグレードバス停というのも見かけませんでした。また、運転手さんが効率重視で発進停車を繰り返しますので、お年寄りの方には大変かなと思いました。私も吊り革にしがみつきながら乗っていた口ですから多少大変かなとは思いましたが、総じて見れば極めて便利なサービスであったと思います。バスサービスに限らず、交通機関というのはその国なり、市民なりが、どういうものが欲しいと思っているかというを如実に反映してシステムが出来上がっているはずですから、韓国の人々は当然これが便利だと考えて乗っていらっしゃいます。もちろん地下鉄にも多くの人が乗っていますが、バスに乗っていらっしゃる方は日本に比べて多いようです。
今の韓国の例に限らずいろんな国で多様な試みをしていますし、本来日本でもこうした試みは出来る筈です。そういう試みをすればまだまだいろんな利便性の向上は期待できるのかなと思って、ソウルの事例を紹介させて頂きました。
要は、まだまだ開拓すべきフロンティアというのがあるでしょうし、また、利用者からはこうして欲しいという不満があるけれどもそれを伝えられないので諦めてしまうということが多いのではないかと思います。さらに、事業者の方からすれば、新しい試みをしたいのでけれども利用者が評価してたくさん乗ってくれるだろうかはっきりしないので創意工夫を断念してしまうことも多分たくさんあるだろうと思います。
他方、豊島社長からお話があったように、交通をいくつかの省庁が管理していますので、その部分が問題ではないかということもあるかと思います。また、現在のバス事業が免許制ということで、ある地域でのバス会社が決まっていたことが問題で、今後は規制緩和を初めとして創意工夫ができるような環境整備をしていかなければいけないと考えております。