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いずれにしても事業者としてやるべきことはたくさんありますし、やれば必ずお客さんがついて来ると思いますので、なるべくそういうような方向に進めて頂きたいし、何か支障があれば国としても必要な制度改正なり、何なりともお手伝いさせて頂く必要があると考えています。

 

●久保田

ありがとうございました。非常にうまくまとめて頂いたと思います。

今日のパネルディスカッションのテーマが「モビリティの向上と人・環境にやさしいまちづくり」というバスなり、公共交通なりを作るためには、どうすれば良いかということでございます。

それから、セミナーとしては「乗り降り楽々バス普及セミナー」ということでございます。こういうことの重要さをいろんな視点から、今日はご指摘頂けたと考えております。

振り返ってみますと、世界の国々と歴史的に比較してみますと、モータリゼーションと市街化の順番がある種特殊でありまして、モータリゼーションのかなり前に市街化が進んでおります。つまり日本人が多く都市活動を始めた段階では、まだモータリゼーションは無かった訳です。その時は昭和20〜30年代ですけれど、その時にはバスというのが我々にとって必需品というか、無いことは考えられないという交通機関でありまして、バス事業者さんもある意味では儲かった訳ですし、バスガイドというのは非常に花形の職業だった訳です。それからヨーロッパやアメリカ並みにモータリゼーションが進んできて、バスがどんどん衰退していくと。これをどうするかという視点で、今まで議論してきた訳です。

そういう時に、別の視点でも議論しなくてはいけない。人にやさしい、環境にやさしいという視点だと思います。車の便利さを享受できない人というのは、必ずいると。これはいかなる社会においても必ずいますし、日本国内においてはこれから増えていく。こういう時にバスというのは、新たな視点で位置づけて、まちづくりの中に考えていかなくてはいけない、ということだと思います。そうなると、バスというのがどういうバスでないといけないか、というのは明らかです。環境にも人にもやさしくなければいけないというのは、明らかです。こうなってくると、バスとか公共交通へ転換を誘導していく方策が必須となってきます。

しかし、転換していった公共交通に、一部のバスに車椅子の方が乗れなかった、地下鉄に障害者の方がいけなかったじゃないか。そういうことを考えると、先程の掛け声自体が眉唾だった可能性があると。TDMとかそういうことをやる以上は、転換していった先の公共交通にそれを応えるだけの要件を満たしてもらわなければ、とても掛け声倒れになってしまうというようなことから考えても、バスなり、公共交通がシステムとしてどうしていかなければならないかというのは、明らかだと思います。

さらに、まちづくりという今日の大きなテーマに関して言いましても、先程スライドで少し見て頂きましたが、まちづくりの核というのが、どういう手段であるか。まちに行ったり、来たり、あるいは歩いたりする手段というのが、どういう手段であれば望ましいのか、ということを考えた時に、これは誰が考えても乗用車ではないと。乗用車でみんなが隣の店に行ったり、3軒先の店に行ったりということを繰り返していたのが、何十年前かのアメリカであり、ヨーロッパのまちでありました。これを反省して、例えば公共交通と歩行者のまちにしようとやってきた訳です。

 

 

 

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