(2) まちづくりに貢献できるバス交通システムの条件
私は、今日まちづくりというお話しを今日のセミナーと言いますか、私の話とパネルディスカッションの1つの中心に据えたいと思っているのですが、まちづくりというのは明らかにもうトレードオフだらけであります。こっちの人が良いということには、こっちの人がやだというような問題ばっかりであります。このまちづくりの中に公共交通、特に今日の話題であります、バスをどう位置づけていったら良いか。皆自動車を持っています。自動車の便利さは誰も否定しません。そういう中で、じゃどういう人のために、何のために、どういうことを都市交通を担当する人がやっていったら良いのか。そういうことをお話ししたいなと思っていまして。
恐らくノンステップバスなり、誰でも乗り降りできるバスというものが、トレードオフのバランスをいい形で取るのに貢献できるんじゃないかと、私は考えております。そういうことを私はいくつかお話ししていきたいなと考えております。
まず最初にですね、非常に常識的なお話しをさせて頂きます。まちづくりにとっていいバスとは、どんなバスだろうかということであります。皆さん、ご存知のことばかり3つ書いてあります。再確認です。
「誰でも使えて」、「便利に使えて」、「信頼できる」、この3つじゃないかと思います。
最初の「誰でも使える」というのは、今日のテーマそのものであります。バリアフリーな乗り物じゃなければいけないということであります。高齢化が進んでいることは、皆さんご存知であります。それから私がある時調べましたら、人口1000人あたりの障害者の方の数というデータがあります。それを見ますと、全体としては今減少傾向にあるんですけれど、年齢階層別に見ますと高齢者の方の、65歳以上の1000人に占める障害者の方の割合というのが激増しています。皆さん長生きされるようになったということもあって、そういう数字になっているんだと思うんですが。高齢者であって障害者であるという方の割合が非常に増えている。しかも、高齢者の方の絶対数がどんどん増えていきますから、高齢であって障害を持っていらっしゃる方の絶対数がこれから非常に増えていくということになります。そういうことを考えますと、誰でも使える公共交通というニーズが高まるということは、改めて言うことが無い訳ですね。それでノンステップバスがそのうちの大きな役割を占めているというのは、間違いないのですが。ではノンステップバスだけで本当に良いか、と言うことは、実は私もよく分からないのですね。
先程ご挨拶の中で、ノンステップバスは雪の場所とか、山道とか、そういう所では使えないと言われているけれど、本当は使えるというお話がございました。そうかもしれません。ただ私が関わっているある所では非常に坂道の多いところがありまして、いろいろ調べた結果、どうもノンステップバスは坂道の勾配というよりも、坂道の当たる緩衝の曲線が悪いのか、どうしてもノンステップバスでは車体がぶつかってしまうという所があって導入を断念した所があります。そういう所をどうするか。点的な場合は、踏み切りが蒲鉾みたいになっている部分を直す。これは個々に対応すれば良いのですけど、一番大きいの問題は狭い場所ですね。道路が狭くて、ノンステップバスが入っていけない、そういう住宅地。しかも坂の上にあるという所なんかがあり、そういう所に高齢者が結構住んでいる場合なんかが、結構ありまして。そういう所の公共交通サービスをどうしていくのかを考えると、恐らくノンステップバス・プラス・コミュニティバス的なもの、しかも誰でも乗れる。