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そういったようなシステムが全体として都市の中で完成されないと、誰でも使えるシステムにはならない。誰でも乗れるバスというのは、誰でも乗れるシステムとして誰でも、どこへでも行けるシステムとしては、何か大小いろいろ組み合わせたりしたシステム化を考えていかなければならないのではないかと考えております。

2番目に「便利に」使えなければならない。これも当たり前ですね。これはいわゆる自動車がドアトゥドアへ、出発地から目的地のドアまで、殆どドア近くまで行ける。その便利さというのは、何にでも変えがたい便利さな訳であります。それに対抗できるだけの便利さをバスシステムが備えることができるか、こういう大きなテーマがある訳です。一般的にはそれが難しい訳ですけれど、これに対して例えば電話をかけるとバスが普通の路線を離れて、私の家の前までちょっと来てくれるようなバスであるとか、自分がバスに乗っていてバスの中にあるボタンを押すと、自分が降りたいバス停に普通の路線を外れて行ってもらうとかですね。そんないろんな工夫が、既にいろいろございます。そういったことを今進んでいる高度情報化、そのものと絡めながら進めていくという大きな課題だと思います。

最後の「信頼できる」。これは一般論として見た場合のバスの最大の課題な訳ですね。要するにいつ来るかわからない、或いはいつ着くか分からない、こういう状況であります。これはバスの問題というよりも、道路交通の問題全体な訳です。行政、さらには市民全体が道路交通を最も効率的に、或いは誰でも使えるという観点から、どうしていくのが良いのかという、ある種の合意をしなければならない。こういう問題であります。これについては後ほどある所の事例をご紹介したいと思います。

そういうかなり根本的な問題とプラス情報提供なり何なりで、根本的には改善は難しいけれども、少しでも信頼性を高めようとする工夫。

こういうものもございます。これも実は浜松市である取り組みがございまして、後ほど紹介があると思います。こんなことが、私の考えるまちづくりに貢献できる、バスシステムというような話でございます。

まちづくりという観点から言いますと、今話題となっております中心市街地の問題ですね。昔、まちの中心であった商店街がどんどん寂れてきちゃってどうするんだという。買い物といえば郊外のバイパス沿いの大きなショッピングセンターに皆行くようになって、中心市街地が寂れてきている。これをどうしたらいいんだ。これは非常に大きな社会的、いや国民的課題であります。このことと公共交通の問題というのは、私は非常に絡んできていると思います。ちょっと理屈っぽいことを書きましたけれども、中心市街地活性化というのと並んで、規制緩和というものが進んでいます。いわゆる大店法というものがこれから無くなろうとしていますね。この時に例えば駐車場の整備等を行うならば、今までのような規制をしません。というように世の中流れてきている訳です。そうなりますと恐らく駐車場の作りにくい中心部よりも、駐車場の作りやすい郊外に大きな店舗がさらに流れていく。そのときに、例えば、駐車場は作らなくて良いから、公共交通のサービスをセットで考えればよろしい。例えばそんな規則があるとすれば、中心市街地にも地価が高くて駐車場が作りにくい、中心市街地にも店舗ができる訳ですね。というようなことを考えると、誰もが行き来しやすいまちづくりというような視点で、公共交通をサポートしていく、それによって引いては中心市街地の活性化が図れるのではないかと考えております。

 

 

 

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