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2. ドイツ

 

(1) 概要

1] 運賃割引の対象となる重度障害者

交通分野では、重度障害者は、運賃割引を含む様々な補償給付を受けることができる。具体的な補償給付は、次のとおり多岐にわたっている。

・公共近距離旅客輸送の無料乗車に対する請求権

・自動車税の減免

・道路交通における駐停車特権

・鉄道旅行における同伴者の無料乗車

 

2] 重度障害者数

連邦統計庁の調査によれば、旧西独地域では1995年12月31日現在、1,000人中83人が重度障害者証明書(障害度50%以上)を保有している58。男女別にみると、男性は1,000人中92人が、女性は1,000人中75人が重度障害者である。重度障害者の総数は561万人(男性301万人、女性260万人)である。旧東独地域では、同時点で1,000人中62人が重度障害者証明書を保有している。男女別にみると、男性は1,000人中64人、女性は1,000人中60人が重度障害者である。重度障害者の総数は88万人(内訳は男女同数の44万人)である。ドイツ全体では、国民の1000人に80人が重度障害者証明書を保有している(内訳:男性1000人中87人、女性1000人中73人)。

重度障害者証明書は650万通近く交付され、そのうち345万通が男性宛て、また304万通が女性宛である。これは、国民の7.9%がこの証明書を所持している計算となる。

重度障害者には証明書が発行され、障害の種類が記載される(表10-2参照)。

 

表10-2 ドイツにおける重度障害者の数(95年12月現在)59

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58 「重度障害者」「障害度50%以上」→重度障害者とは、身体的、精神的、知的障害によって生業能力の50%以上を喪失した者およびそれと同等と認められた者を指す(重度障害者法)。

59 連邦社会労働省資料

60 「戦争傷害者」→軍務若しくは類似の役務、軍務等に特有の関係、戦争の直接的影響、抑留、捕虜生活などによって健康上の被害(侵害)を受けた者。(身体に傷害を受けた者という意味で、「障害者」ではなく「傷害者」と書く)

 

 

 

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