使用車両は、一般路線と同様の大型車体バス(リフト付で車いすを5〜7台搭載可)と、ステイションリンク・バスと同様のミニバス(リフト付で車いすを2〜3台搭載可)の2種類である。運賃は一般路線バスと同様にゾーン区間制である。
(2) STサービス51
移動制約者のためのドア・ツー・ドアの個別輸送サービスとして、ダイアル・ア・ライドがある。使用車両は、ミニバンの後面にリフトを設置したものである。利用者は登録が必要で、利用する48時間前までに運行会社に予約を入れる。運賃は、一般の路線バスと同様のゾーン区間制であり、介助者は無料である。
運行会社は、ロンドン市内を6地域に区分し、それぞれ異なる会社がサービスを行っている。また、運営費については、運賃収入は運営費予算の5%であり、その他は政府から補助金として給付されている。
なお、運行会社は月に1回、運輸省(Department of the Environment, Transport and Regions)にレポートを提出しなければならない。報告内容は、運行距離や乗車人数、キャンセル状況等であり、それらをもとに運輸省は6地域の運行状況を比較でき、ダイアル・ア・ライドの質の向上につながる。
なお、将来的にはロンドン市内の道路交通は、ローフロアー・バスとダイアル・ア・ライドに集約し、ステイションリンク・バスおよびモビリティ・バスは廃止する方針ということである。
51 東京都立大学院「英国・オーストラリアの障害者・高齢者の交通システムの調査報告」1993年3月