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1989年12月以降、ライン・ネッカー運輸連合(VRN)が結成された。連合料金と相互に調整したサービスによって地域内の公共近距離交通を改善し、多くの乗客を獲得するため、HSBを含めた交通企業14社が連合した。

 

(3) 移動制約者への対応

1] バス

イ.バス車両

1970年代半ばから、HSBは自動車メーカーと共同で、バス用の車いす対応のバス開発に取り組んでおり、ドイツで最初に、車いす用リフトをバスに設置することとなった(近郊にドイツ有数のリハビリ施設があり、他地域と比べて先駆的に取り組むことになった)。これまで導入してきたバスの経緯をたどると次のとおりである。

 

1970年代後半:バス後輪のさらに後ろに、床面が地面から30cmで、車内の段差がなく、手動のスロープを出す方式を採用していた(図3-2参照)。但し、バスに車いす使用者が乗り込めたか運転手が容易に確認できないという問題があった。

 

図3-2 ハイデルベルグでの初の低床バス(模式図)

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1980年代:1982年に、バス(車内の段差あり、床面が地面から70cm、前方ドアに電動リフトあり)4台を購入し、ハイデルベルグ駅とリハビリセンターを往復するバスとして利用されることになった。これにより、運転手が直接見える場所から、車いす使用者が乗車できるようになった。床面は、地面から70cmであった。1988年に、全てのバスが電動リフト付となった。但し、車内の段差はある。

 

1990年代:1991年以降、バス(車内の段差なし、床面高35cm、ニーリング機能あり、スロープあり)のみ購入することになった。但し、全てがこのタイプに置き換わったわけではなく、1980年代に多く導入されたタイプのバスも引き続き利用されている。1997年に、車内温度・湿度の自動調整機能も搭載したバスを5台購入した。現在、HSB所有のバス101台のうち、6割が、すでに1990年代多く導入されているタイプとなっている。

 

ロ.バス停

乗りこむ位置を地面から15cmの高さにしてある。また、路盤に印をつけ、視覚障害者も利用しやすいようにしている。但し、路盤の印の高さを2〜3cm以内とし、車いす使用者の障害にならないようにも配慮している。

 

 

 

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